現在、小学校から中学校で勉強している子供たちは、「00后」と呼ばれる世代です。都会では一人っ子として育つ子供たちがほとんどです。
しかし、同じ世代でも貧困農村地区に住む子供たちとではその勉強方法や環境に大きな差があるのが現状です。
レッスンの内容
都市部の子供たち
沿岸地域の、経済的に発展している都市に住む子供たちの勉強の環境はかなり西欧諸国化してきています。
熟やセミナー
「少儿英语培训班」(shàoér yīng yǔ péi xùn bān)、「少儿音乐培训班」(shàoér yīn yuè péi xùn bān)、「少儿舞蹈培训班」(shàoér wǔ dǎo péi xùn bān)といったように子供たち「少儿」(shàoér)を対象に、ありとあらゆる塾やセミナーが次々と開講しています。
「美术培训班」(měi shù péi xùn bān)「绘画培训班」(huì huà péi xùn bān)もあります。中には、幼稚園に上がる前の乳児と幼児を対象にしたスクールもあります。
本来、親と子供双方に触れ合う時間を持ってもらい、一緒に遊ぶというのが目的です。
スクールの費用
この「遊ぶ」ためのスクールの費用は、週1回1時間で年間1万元以上かかります。
今のレートに換算すると、なんと20万円以上するのです。かわいい我が子のために、中国の親がいかに惜しみなく費用をかけているかがわかりますね。
(※記事作成時のレートです)
受験を控えて
中学生にもなると、通称「中考」(zhōng kǎo)、つまり高校受験を控えていよいよ本格的に成績重視の塾選びが始まります。
個人で家庭教師を頼む場合もあります。子供の成績と将来を考え、親は必死になります。
Wǒ érzi yīng yǔ chéng jì chà de lì hai,yào bú shì xiàn zài gěi tā bǔ kè,
A: 我 儿 子 英 语 成 绩 差 得 厉 害, 要 不 是 现 在 给 他 补 课 ,
míng nián zhōng kǎo shí yǐ jīng lái bu jí le。
明 年 中 考 时 已 经 来 不 及 了。
うちの息子の英語の成績はひどいものよ。もし今それを埋めてやらないと、来年の受験の時にはもう間に合わないわ。
Nà,nǐ yǒu shén me dǎ suàn?
B: 那,你 有 什 么 打 算?
じゃあ、あなたどうするつもりなの?
Péi xùn bān de huà,yīn wèi yǒu qí tā hái zi,tā bú huì rèn zhēn tīng lǎo shī de huà,
A: 培 训 班 的 话,因 为 有 其 他 孩 子,他 不 会 认 真 听 老 师 的 话,
wǒ xiàn zài yào kāi shǐ xún zhǎo gēn érzi hé shì de yīng yǔ lǎo shī,
我 现 在 要 开 始 寻 找 跟 儿 子 合 适 的 英 语 老 师,
qǐng tā zhuān mén jiāo wǒ érzi。
请 他 专 门 教 我 儿 子。
塾だと、ほかの子もいるから、あの子先生の話を真面目に聞かないのよ。今から息子に合った英語教師を探して、うちの子だけにしっかり教えてもらわないと。
農村部の子供たち
このようにたくさんの選択肢から自分に合った勉強方法を選べる街の子供たちと比べると、不利な状況にあるのが郊外の地方都市や農村地帯の子供たちです。
言語問題
中国は多民族国家ですから、それぞれの民族の言語や地方の方言があります。教師だからといって、すべての教師が「标准的普通话」(biāo zhǔn de pǔ tōng huà)をしゃべれるわけではありません。
教師の話す言葉からして問題がありますから、教育レベルはなおのことです。
それで、少しでも良い教育を子供に受けさせたいと思う親は、きちんとした学校や塾などのある都会に出て来て、学校の近くに部屋を借り、子供が在学中はそこに住むようにする場合があります。
親は出稼ぎへ
貧困農村地区の子供たちの勉強の環境はさらに異なります。多くの農民が土地を離れ、工業化と都市化の進む街へと出稼ぎに来ています。
これが「农村留守儿童」(nóng cūn liú shǒu ér tóng)と呼ばれるグループを生み出しています。つまり、出稼ぎに行った親と離ればなれで暮らさなければならない子供たちです。
学校へ行けない子供たち
こうした子供たちの教育問題は大きくなっています。また、家族が一緒に暮らしているとしても、事故や病気などで親が失業し、生活費を稼ぐために学校を辞めなければならなくなった子供たちもいます。
希望工程
こうした子供たちのために、1989年に始まった公益事業の「希望工程」(xī wàng gōng chéng)があります。
これは、学校建設を援助することと、貧しい家庭の子供たちが教育を受けられるよう費用を援助することを目的として始まった運動です。
この援助を受けて教育を受けることのできた人が、社会人となって後、自分もこの活動に参加して、貧しい子供たちのために費用を賄うという例もあります。
また、豊かな大都市の子供たちが使い終わった教科書や教材を貧困地域の子供たちに贈る活動もあります。
このような、子供たちの勉強に関わる義捐金や義捐活動の広告やニュースを目にすると、少し複雑な気持ちになってしまいます。