現在一般的に用いられる中国語では、同じ企業、職場で働く同僚を「同事」(tóng shì)と呼びます。
「同僚」(tóng liáo)というと昔の王朝で官職に携わった人々を指します。中国人同士の同僚はどんな付き合い方をしているのでしょうか?
レッスンの内容
難しい同僚との付き合い方
同僚といっても様々な人がいます。お互いに仕事上で知り合った後、どういう付き合い方を避けるべきか、例を挙げて教えてくれる本が書店にはたくさん並んでいます。
ネット上にも「5个职场坏习惯让同事反感」(職場の悪い習慣五つが同僚に反感を抱かせる)といった項目があります。
こうした文章を見ると、多くの人が職場での付き合い方に大きな関心を寄せていることが見て取れます。
中国人が反感を覚える例
その中から「同僚の反感を招く四つの事柄」「四 件 事 让 你 引 来 同 事 反 感」(sì jiàn shì ràng nǐ yǐn lái tóngshì fǎngǎn)を取り上げてみましょう。
①爱 拍 老 板 马 屁 (ài pāi lǎobǎn mǎpì)
社長にへつらう、おべっかを言う
②消 极 牢 骚 多 (xiāojí láosāo duō)
消極的な愚痴が多い
③喜 欢 大 声 嚷 嚷(xǐhuan dàshēng rāngrang)
話し声が大きい、大声で話すのが好き
④不 爱 整 洁 (bú ài zhěngjié)
清潔にすること、整理整頓が苦手
Gēn tóngshì bǎochí liánghǎo de guānxi,nǐ yǒu shénme mìjué?
A: 跟 同 事 保 持 良 好 的 关 系,你 有 什 么 秘 诀?
同僚と良い関係を保つのに秘訣がありますか?
Rúguǒ zài zhíchǎng zhōng xiǎng dé dào tārén de zūnzhòng,
B: 如 果 在 职 场 中 想 得 到 他 人 的 尊 重 ,
bàngōngshì lǐyí shì fēicháng zhòngyào de。zài gōngzuò shí,
办 公 室 礼 仪 是 非 常 重 要 的。在 工 作 时,
shéi dōu xǐhuan yǒu yīge ānjìng de huánjìng lái chǔlǐ wǒmen de gōngzuò,
谁 都 喜 欢 有 一 个 安 静 的 环 境 来 处 理 我 们 的 工 作,
rúguǒ shēnbiān de tóngshì xǐhuan chǎochǎorǎngrǎng yǐngxiǎng nǐ de gōngzuò,
如 果 身 边 的 同 事 喜 欢 吵 吵 嚷 嚷 影 响 你 的 工 作,
nàme nǐ kěndìng huì hěn bù xǐhuan,rènwéi tā de sùzhì tài chà,
那 么 你 肯 定 会 很 不 喜 欢,认 为 他 的 素 质 太 差,
tóngshí yě huì juéde tā búgòu chénwěn。
同 时 也 会 觉 得 他 不 够 沉 稳。
もし職場で他の人から尊重されたいなら、事務所における礼儀はとても重要です。仕事をする際、誰もが静かな環境で働きたいと望むものです。もしあなたのそばにいる同僚がいつもうるさくわめきたててあなたの仕事に影響を与えるなら、あなたはその人のことを決して好きになれないでしょうし、相手を一般常識のない人、仕事においても不安定な人とみなすことでしょう。
Hái yǒu qí tā de ma?
A: 还 有 其 他 的 吗?
ほかにもありますか?
Bàngōngshì shì yīge gōnggòng de huánjìng,
B: 办 公 室 是 一 个 公 共 的 环 境,
yīge liánghǎo de huánjìng kěyǐ yǐngxiǎng zhe dàjiā de xīnqíng hé gōngzuò xiàolǜ,
一 个 良 好 的 环 境 可 以 影 响 着 大 家 的 心 情 和 工 作 效 率,
rúguǒ nǐ de tóngshì bàngōngqū luànzāozāo de,
如 果 你 的 同 事 办 公 区 乱 糟 糟 的,
suīrán nǐ kěnéng zuǐ shàng búhuì shuō shénme,
虽 然 你 可 能 嘴 上 不 会 说 什 么,
dànshì nǐ duì tā de bànshì nénglì yǔ gōngzuò xiàolǜ dōu huì biǎoshì huáiyí。
但 是 你 对 他 的 办 事 能 力 与 工 作 效 率 都 会 表 示 怀 疑。
事務所は一つの公共の場所といえます。良い環境であれば働く人々も気持ちよく働けるので仕事の効率が上がります。もしあなたの同僚の机の周辺が秩序なく乱雑であれば、あなたが彼に直接は言わないとしても、彼の仕事の能力とその効率が恐らく良いものではないだろうという印象をもつことでしょうね。
同僚との距離感
ほかにも、同僚との関係が行き過ぎた仲になってしまい、問題が生じることもあるようです。ある本にはこのようなアドバイスと実例が載っていました。
tóngshì bú shì nǐ de fùmǔ
同 事 不 是 你 的 父 母
同僚はあなたの両親ではない
裕福な環境で育った王さんは家事をほとんどしたことがありませんでした。
卒業後、地方で働くことになり、何もかもを自分一人でしなければならなくなりましたが、不慣れなこともあり、自分の力が及ばないと痛感することがしばしばでした。
そんな折、彼女の母親程の年齢の同僚が王さんに気遣いを示してくれました。王さんは大変感謝してこの同僚に心を許し、自分のプライベートなことも打ち明けるようになりました。
ところがある日、二人は些細なことで口げんかになり、腹を立てた同僚は王さんの秘密を全部ほかの同僚にばらしてしまいました。
「あなたを本当の母親のように思っていたのになんてことをしてくれたの?」と王さんは怒りましたがもう後の祭りです。
プライバシーの感覚
プライバシーという概念がそれほど定着していないことが原因で、同僚のみならず重役からも嫌な思いをさせられることが多いのも事実のようです。
北京で暮らす許さんの会社の社長の趣味は人物撮影で、機会があれば作品をコンテストに出展するほどの熱の入れようです。
ある日、社長が許さんの日常生活を撮影させてほしいと言いました。
彼女が朝起床するところから始まり、出勤、仕事中、食事中、仕事が終わった後のプライベートまでのすべてを丸一日撮らせてほしいというのです。
【上司との難しい付き合い】
もちろん、社長から謝礼などの条件は一切なく、社員なのだからこれくらい協力して当然だろうというのです。許さんはこれに同意できず、結局この会社を辞めたのでした。
大都市の会社ですらこういう問題が起こるという事は、地方ではなおさらかもしれません。
同僚との付き合い方はこれからどういう方向に発展していくのか楽しみです。