中国国内で、中国人が日本人と知り合う機会はそれほど多くはありません。大学や仕事で接点ができるぐらいではないでしょうか。
レッスンの内容
誤解の原因はメディア
中国ではいろんな意味で注目される日本ですが、その日本に関する情報はわりとあやふやだったり、怪しかったりします。
大半の情報はメディアを通じて入手するわけですから、変に誇張されていたりします。
そこで、今回は中国人が日本人に抱いているイメージで、これはどうか~と思えることを取り上げてみました。
日本人女性についての誤解
やさしい日本女性
rì bĕn nǚ rén shì wēn róu
日本女人是温柔
日本人女性は優しい
もちろん優しい日本人女性はいないとは申しません。
ですが優しさの内容がどうも、主婦が仕事から帰った夫を迎えるとき、玄関先で三本指をついて頭を下げて迎えるみたいな、夫に従順な、口答えしないイメージが独り歩きしているような感じがしました。
タクシーに乗って、私が日本人だと知った運転手から、
日本女人是温柔了吧?
と、1度や2度ではなく、本当によく言われたので、
wù huì le。xiàn dài rì bĕn nǚ rén dōu hĕn qiáng,dú lì xìng yĕ hĕn qiáng
误会了。现代日本女人都很强,独立性也很强
誤解です。現代の日本人女性はとても強く、独立心もとても強いです。
と、答えるようにしていたほどです。
どんなイメージ?
そんなイメージが独り歩きした背景に、1人の女性が関わっているようです。「真由美(zhēn yóu mĕi)」です。
20代の中国人でも「真由美」の名前と存在は知っているようで、やはり私が日本人だと分かると、「真由美、知っているよ」とよく言われました。
真由美
果たして「真由美」とは? 真由美とペアで話に出てくるのが高仓健(gāo cāng jiàn)さんです。
この真由美は、映画『追捕(zhuī bŭ)』(邦題『君よ憤怒の河を渉れ』/1976年松竹)で高仓健さん扮する杜丘冬人の恋人です。
演じるのは中野良子(zhōng yĕ liáng zǐ)さん。中野良子さんは、中国では本名よりも役名の「真由美」としてとても有名です。
献身的な女性
では、どんな役なのでしょうか。罠に落とされ殺人犯に仕立てられ逃亡する検事が杜丘冬人。
その逃亡中、北海道で真由美と知り合い、二人は愛し合うようになります。真由美は、身を挺して杜丘冬人の逃亡を助け、献身的に尽くすのでした。
その姿が、どうも日本人女性のイメージとしてオーバーラップしているようです。
日本人男性についての誤解
男性のイメージは最悪
rì bĕn nán zǐ dōu shì biàn tài
日本男子都是变态
日本人男性は変態
はっきりいって、日本男性は評判悪いです。これは戦争映画やテレビドラマの影響でしょうか。
亭主関白
中国では第二次大戦を描いたテレビドラマがよく放映されています。その中で描かれる日本兵は鬼そのもの。
そして、日本兵がよく口にする言葉が「メシ、メシ(飯、飯)」「バキャロ(馬鹿野郎)」。だから、この2つの知っている日本語として挙げる中国人は結構います。
日本兵のイメージがそのまま日本人男子のイメージとなっているような。日本人男性は「大男子主义(dà nán zǐ zhŭ yì)」、いわゆる亭主関白といわれます。傲慢で、威張った男。
同性愛者が多い?
そして、タクシーの運転手からはこんなことを言われたこともあります。
日本男子都是变态了吧?
理由を聞くと、
yīn wéi dà duō shù dōu shì tóng xìng liàn
因为大多数都是同性恋。
ほとんどが同性愛者だから
日本人男性、さんざんな言われようです。
イメージ払拭のために
でも、日本人男性と結婚した中国人女性からは、日本人男性は優しいという話もよく聞きますので、交流の範囲が広がればそういった風変りなイメージも払しょくされていくのではないでしょうか。
上述したとおり、今は大和撫子も強くて、中国人男性と同じように气管炎(qì guǎn yán:気管支炎)に苦しむ日本人夫もたくさんいますよね。そう妻管严(qī guǎn yán:妻の管理がきつい)です。
「气管炎」は、「妻管严」と発音が同じで声調も近いことから、妻の尻に敷かれている夫、恐妻家を意味します。