大都市で都心部には外資系の超市(chāo shì:スーパー)が多く進出しています。
よくお世話になったのが华堂(huá táng:イトーヨーカ堂)や沃尔玛(wò ĕr mǎ:ウォールマート)、家乐福(jiā lè fú:カルフール)。品揃えが豊富で、買い物が楽しめました。
レッスンの内容
スーパーでの注意点
しかし、少しでも中心部を離れると、地元のスーパーがやはり主力。そこで、お店に入るときに、日本では経験できない対応を受けることがあります。
それは、警備員なのかただの見回りなのか、お店のスタッフに呼び止められ、こう言われます。
chāo shì bù ràng nǐ dài zhe tí bāo jìn qù,nǐ yào bǎ tā cún dào fú wù tái
超市不让你带着提包进去,你要把它存到服务台。
スーパーには手提げを持って入れません。手提げはサービスカウンターに預けてください。
バッグは禁止
そうです。入店する際は、バッグや手提げを持って入れないのです。
財布やその他貴重品を抜き取って、サービスカウンターに預けるか、コインロッカーに入れなければならないのです。
まだ中国に来たばかりのある日の夕方、時間があったので、お店を何件も梯子して、良いものがあれば買おうかなあとぶらぶらしていました。
最初のスーパーでちょっと買い物をして、そのときは、その塑料袋子(sù liào dài zǐ:ビニール袋)をぶら下げてお店に入ってしまいました。
そのときはたまたま、塑料袋子を持って入店する人物の姿は、管理員の目に留まらなかったのでしょう。
万引き防止
すると、あるときから、黙って私の後ろを着いてくる中年の服务员(fú wù yuán:スタッフ)がいました。
気になったので「你跟着我干么?」(nǐ gēn zhe wŏ gàn me?:なぜ私に付いてくるの?)と聞いたところ、
「看着你的」(kàn zhe nǐ de:あなたを見ているの)と言われ、上述のようなことを言われたのです。
以下、そのときの会話をちょっと再現してみます。
shì ma? bù hǎo yì sī, wŏ jiù bù zhī dào zhè shì。nà xiàn zài wŏ zĕn me bàn hǎo?
客 户:是吗? 不好意思,我就不知道这事。那现在我怎么办好?
そうなの?そのことは知らなかった。それなら今、私はどうすればいいですか?
dài zǐ lǐ de dōng xī zŏng gong duō xiǎo qián? nǐ yīng gāi zài jiāo gēn tā tóng yang de jià qián
服务员:袋子里的东西总共多小钱? 你应该再交跟它同样的价钱
ビニールの中の物は全部で幾ら?同じ価格をもう一度支払ってください。
jiāo gĕi shéi?
客 户:交给谁?
誰に払うの?
jiāo gĕi wŏ men chāo shì
服务员:交给我们超市
私たちスーパー側に払ってください。
wéi shén me?
客 户:为什么?
どうしてですか?
nǐ néng bù néng zhèng míng zhè xiē dōng xī bù zài zhè lǐ mǎi de?
服务员:你能不能证明这些东西不在这里买的?
あなたはこれらの物をここで買わなかったと証明できますか?
nǐ shuō wŏ bǎ zhè xiē dōng xī zài zhè lǐ tōu?
客 户:你说我把这些东西在这里偷的?
あなたは私がこれらの物をここで盗んだというのですか?
というところまで状況が発展して、最後は、「こんな失礼なことを言う店は、世界中探してもココしかない!」と怒鳴って、お店を後にしたのでした。
あまりにも頭に来たので、日本に暮らす中国人の友達にその話をしたら、「うん。そう。中国だけじゃないよ。イタリアも同じだった。入境问俗」と言われました。
郷に入っては…
入境问俗(rù jìng wèn sú)
日本語の「郷に入っては郷に従え」に該当することわざです。
他国では、間違いを犯さないように、まず禁止されている事柄や風俗習慣を聞く、という意味です。
なぜ、カバンや手提げを持ってスーパーに入ってはいけないのか。
それは、お店側のリスク回避作戦にほかならず、お客さんが商品をこっそり手提げに入れて持ち帰れないようにするためです。
méi yŏu bǎ qián bāo zhuāng hǎo de tí bāo,tài wēi xiǎn le,rú guŏ diū le qián bāo zĕn me bàn?
没有把钱包装好的提包,太危险了,如果丢了钱包怎么办?
財布を包む手提げがなければ、とっても危険です。財布を落としたらどうしますか?
と言ってもダメでした。
レシートチェック
スーパーによっては、レジを済ませたお客さんの小票(xiǎo piào:レシート)をチェックするところもあります。
レシートを見て、「はい、確かにお買い上げの商品とレシートを照合しました」ということで検印を押してもらいます。
その検印済みの小票を服务台に提示して、預けたカバンや手提げを受けとります。
お店の規則に従って!
日本なら名誉棄損と言われそうな対応ですが、お店のリスク管理で一律にすべてのお客さんを疑ってかかるから問題ないのか、なんて解釈しようとと努めたものです。
ただし、地元のスーパーの全部が全部、手提げを持って入れないわけではありません。
コンビニを一回り大きくしたぐらいのスーパーでは、全体を見回せるぐらいの広さだからなのか、バッグを持って入っても咎められません。
ある程度の規模で、店員の目の届かない“死角”が多いスーパーではこのような措置が取られている、と今では勝手に解釈しています。