中国のお葬式文化:漫才から学ぶ異文化理解

    1. 中国歴史・民族

    人はやがて年をとって死んでいきます。中国は人口が多い分、お葬式も盛んに行なわれます。

    日本の仏教式のお葬式ももとはと言えば中国から来ているので共通点も多いのですが、異なる点もたくさんあります。最大の違いは日本ほど重々しくない点でしょう。

    中国のお葬式文化:漫才から学ぶ異文化理解

    中国のお葬式の方法は?

    中国はお葬式の方法が日本とはまったく違います。

    日本の場合は、真っ黒の喪服を身につけて、重々しくしめやかに、きれいな葬儀場で遺体が棺おけの中できれいに飾られて、火葬場で焼かれるのですが、中国はまったく違います。

    雑然とした中でガヤガヤとお葬式が行なわれます。では問題です。一般の中国人のお葬式が行なわれる場所はどこでしょう?

    zìjǐ  de  jiālǐ

    1自己 家里(家の中)

    rénxíngdào

    2人行道(歩道)

    gōngyuán

    3公园(公園)

    fénmù qián

    4坟墓 (墓の前)

    えっ、葬儀場じゃないの?という人もいるでしょう。たしかに殡仪馆Bìnyíguǎn)と言われる葬儀場も存在しますが、遺体を焼却するときに使う場所であって、土葬のときは使用することもありません。

    ほとんどの人のお通夜・お葬式は、2番の人行道rénxíngdào)、つまり、歩道上で行なわれます。一番意外な答えかもしれませんね。

    人が亡くなると親族は近所の葬儀店に連絡します。葬儀店が親族の家の近くの歩道に適当にテントを建てだします。よく小学校の運動会のときに運動場に建ててあるような、あの三角屋根の簡単なテントです。

    そこに遺体や遺影を持ち込み、親族が普段着でガヤガヤと集まってきて、ビールを飲み、ご飯を食べだします。

    親族や友人は腕にワッペンの付けて死者を弔います。

    興味深いのは葬式の間に行なわれるイベントです。どんなイベントが行なわれるのでしょうか?

    中国から来た 2 人のビジネスマンがマイクを持って話し合っています。

    葬式のときの興味深いイベント

    人が亡くなったので決して馬鹿騒ぎのようにはなりませんが、中国のお葬式は日本のように重々しくありません。

    人の死は悲しいけど、死者も楽しく旅立てるようにという考え方のもと、楽しさと悲しさ両方が演出されます。

    そこで行なわれるのが漫才です。葬儀場の手配のもと葬礼相声(zànglǐ xiàngsheng)と言って漫才師がやってきて掛け合い漫才を披露します。

    続いてやってくるのが哭丧人(kūsāng rén)です。これは大泣きしてくれる女の人です。200元(3000円)くらい支払えば20分間泣き続けてくれます。

    悲しい雰囲気が出たところで土葬か火葬して遺体を処理します。さて問題です。もし中国で葬式に出席するときに持っていくものは何ですか?

    中国の香典

    qián

    1钱 (お金)

    bāozhuānghǎo de qián

    2包装好  (包んだお金)

    lǐwù

    3礼物(品物)

    答えですが、1の現ナマのお金でもいいですし、2の封筒に入れたお金でもいいというものです。いずれにしても中国の世俗の習慣ではお金以外のものは渡しません。

    白い背景に中国人民元の中国紙幣。

    【裸のお金が主流】

    封筒に入れる場合は、白い封筒にお悔やみの4文字熟語と自分の名前を書いて渡すようですが、そうしている人はほとんどいません。

    現ナマのお金が一般的です。100元札数枚束でをドンと受付に出して、自分の名前を告げます。

    ちなみに結婚式のときも同様で、红包hóngbāo)と呼ばれる赤い袋に入れてお祝い金を渡してもいいのですが、現ナマで現金を渡す人がほとんどです。

    中国社会ではそのほうが誰がいくら渡したのか分かりやすいので好まれるのでしょう。

    【品物はなし】

    3番の品物を渡すことはほとんどありません。

    でも受け取る側の立場で考えると、物をいただくよりも、お金をいただくほうが実際的なことにいろいろ使えるので助かるかもしれませんね。

    いかにも現実主義の中国らしい習慣ですね。

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