中国流のお金の管理:財布を持たない合理的な方法

  1. 中国経済・社会

中国人の長所、それは合理的なところです。中国人は一切の無駄を省きます。

日本人や世界の人が当たり前のように使っているものも中国人にとっては合理的ではなく排除されます。その一つが財布でしょう。

中国流のお金の管理:財布を持たない合理的な方法

合理的な中国人の考え方

合理的な財布を見る前に、まずは中国人の思考パターンをのぞいてみましょう。

常識を無視した行動を取りますが、そのすべての行動に意味があるのです。中国人は意味がない、もしくは心の伴わないことは基本的に言いませんし、行ないません。

社交辞令を例に挙げましょう。中国人も愛想よくあいさつして社交辞令を言ってくれる時があります。

しかしそれは目的がある場合に限られており「新しい会社に入ったので会社内で友人を作るため」とか「取引先との契約をまとめるため」など、意味のある社交辞令を行ないます。関係を築く価値が分からない人には社交辞令は言いません。

仕事への考え方も合理的です。

ある会社で働いていて満足できる給料をもらっていても、もっと高い給料の仕事を紹介されると「同じ仕事をしているなら、お給料が高いほうがよい」と考え、すぐに前の会社を辞めます。仕事はお金のためと合理的に考えているのです。

一人は中国元の男性。

お金管理も合理的

お金を稼ぐのが大好きな中国人ですが、そのお金を管理方法も合理的です。中国人のお金の管理方法は大きく分けて3つほどあります。

bǎoguǎn zài hěn dà de qiánbāo lǐ

1、保管在很大的钱包里。

大きな財布の中に保管する

 

bǎoguǎn zài qiánjiāshì zhǐjīn xiǎo bāo lǐ

2、保管在钱夹式纸巾小包里。

広告のティッシュケースの中に保管する

 

bú yòng qiánbāo

3、不用钱包。

財布を使わない

すべて合理的なのです。ひとつずつ見ていきましょう。

大きな財布に

人は見た目ではその人が富裕層なのかどうかはわかりません。よって富裕層の方は、自分は富裕層で、人生の成功者であることをアピールする必要があります。合理的な方法は何だと思いますか?

それは大きな財布にたくさんお金を入れておくことです。

キャッシュカードも、電子マネーも発達している中国で、本当は100元札を何十枚も財布に入れておく必要などないのですが、富裕層にとって重要なのは払えるか払えないかではありません。

私は金持ちだとアピールすることなので、大きな財布にたくさんお金を持ち歩いて管理します。

ティッシュケースに

お金持ちをアピールすることに関心がない庶民は、「財布そのものを購入するのにもお金がかかるのに、なぜ財布の中にお金を入れないといけないのか」と合理的に考えます。無駄なものにお金を掛けたくないのです。

お金を掛けずにお金をまとめるのによく利用されているのが、よく駅前などで配られている、ポケットティッシュ(纸巾zhǐjīn )のケースです。

とくに中国人が好むのが钱夹式qiánjiāshì)と呼ばれる折り畳み式のポケットティッシュです。ティッシュを使い終わった後そこにお金を入れて財布代わりにしています。

電子マネーで払えるところがほとんどなので、現金はティッシュのケースの中に何百元か持っておけば十分です。

ポケットも膨らまないため、仮に見えてもテッシュケースなので、泥棒(小偷::xiǎotōu)はそのお金を取ろうとは思わないという合理性があります。

中国の中級階級の主婦たちはよくこの方法を用いているようです。

中国の文字が書かれた中国の看板。

財布を持たない

日雇いで働くような低所得者たちは、ポケットティッシュにお金を入れることにさえ意味を感じません、よって直接お札をポケットに入れています。

現金をポケットに入れておくと、買い物だけでなく、マージャンなどで掛け事をするときもすぐにお金が出せて便利です。

最近のおしゃれな大学生も別の理由で、財布や現金を持ち歩きません。なぜなら最新の電子マネーの使用法に精通しているため、買い物も乗り物もすべて電子マネーで決済する術を知っているからです。

中国には「ここ一年以上現金使ったことがない」という大学生がたくさんいます。

見習えるかも?合理的な考え方

今回は財布について考えましたが、無駄なものはとことん省く合理的な考え方は、中国企業に利益をもたらし、中国経済を支える一つの要素ともなっています。

日本も規定概念に縛られず、無駄な社交辞令をなくしたり合理化を図れば、なお経済が発展するかもしれませんね。

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