中国語で謎解き:辛いのになぜ水煮鱼?

  1. 中国語日常会話

中国では「鲁菜」(lǔcài 山東料理)のように各地方の名物料理の看板をよく見かけ、その一つが「水煮鱼」です。

たくさんの赤唐辛子と花椒と真っ赤な色の油に浸った魚料理で、とても水で煮た魚には見えません。どう料理しているのでしょう?

中国語で謎解き:辛いのになぜ水煮鱼?

水煮鱼-歴史は浅いが人気は高い

水煮鱼」(shuǐzhǔyú 水煮魚)は「川菜」(chuāncài 四川料理)に属し、「川渝地区」(chuānyúdìqū 四川省と重慶市一帯)で有名です。

江水煮江鱼」(jiāngshuǐzhǔjiāngyú)や「水煮鱼片」(shuǐzhǔyúpiàn)とも呼ばれます。

水煮鱼に使う魚は主に「草鱼」(cǎoyú ソウギョ)や「黑鱼」(hāiyú ライギョ)、「青鱼」(qīngyú アオウオ)などの「淡水鱼」(dànshuǐyú 淡水魚)です。

下処理をきっちりしているので淡水魚独特の臭みはあまり感じません。スープの見た目通りの刺激的な辛さは予想外に後を引く味で、多くの人がやみつきになります。

水煮鱼の発祥地は「重庆渝北」(Chóngqìngyúběi 重慶市渝北区)です。この料理は比較的歴史が浅く、1985年頃に基本的なレシピが完成しました。

味の良さと見た目の華やかさから、あっという間に周辺地域の「餐饮行业」(cānyǐnhángyè 飲食業界)に受け入れられました。今では全国的にも人気のメニューです。

一人の男が手で一条大鱼を着た。

本当は水で煮ていた?

今では仕上げのピリ辛油で引き締まった、また洗練された味になっている水煮鱼ですが、元はやはり水で魚を煮ていた料理でした。

Yuánshǐ de shuǐzhǔyúshìyòngshuǐzhǔzhìérchéng,

原始的水煮鱼是用水煮制而成,

láizìchuāngōngqiànfū de cūfàngyǐnshífāngshì。

来自船工纤夫的粗放饮食方式。

初期の水煮鱼は水を使って煮て仕上げていました。船頭など船の肉体労働者の豪快な食べ方から来ているのです。

友達が持ってきてくれた魚のおかげ

現代の水煮鱼のレシピを完成させた功労者は1983年に重庆で行われた「厨艺大赛」(chúyìdàsài 調理技術コンテスト)で優勝した「川菜厨师」(chuāncàichúshī 四川料理の料理人)です。

この厨师水煮鱼の原型ともいえる料理を披露して優勝しました。彼には幼馴染の友人がいて、自分が釣った川魚を持って厨师の家をよく訪ねてくれていました。

ある日、厨师は友人を歓迎するための料理を作ろうとしましたが、家にたいした材料がありませんでした。

また友人が肉をあまり好んで食べないため、持ってきてくれた魚を使ってあの優勝メニューを再現しようと思い立ちました。

Méixiǎngdào de shì,yúròu de xiānměi,málà dehòuzhòng,shǐdepéngyouzànbùjuékǒu。

没想到的是,鱼肉的鲜美,麻辣的厚重,使得朋友赞不绝口。

Cóngcǐyǐhòu,chúshī kāishǐqiánxīnyánjiūshuǐzhǔyú de pēngrènfǎ,

从此以后,厨师开始潜心研究水煮鱼的烹饪法,

yúròu de tèxìng,málà de dāpèiděngzhūduōfāngmiànlìzhēngzuòdàojīngyìqiújīng,

鱼肉的特性,麻辣的搭配等诸多方面力争做到精益求精,

lìjīngyīniánduōdenǔlì,1985niánshuǐzhǔyújīběndìngxíng。

历经一年多的努力,1985年水煮鱼基本定型。

意外にも、魚の身の味の良さ、舌がひりひりしびれるような辛みの重厚さが友人の絶賛を得た。この時から料理人は水煮鱼の調理法の研究に専念し始め、魚肉の特性、山椒の辛さとトウガラシの辛さの組み合わせなど、様々な面で可能な限り磨きをかけようとした。一年余りの努力を経て1985年に水煮鱼の基本的なレシピがおよそ定まった。

中国餐桌上の一杯

水煮鱼の作り方

中国の水煮鱼の店には大きな水槽があり、客は調理してもらう魚をその中から選べます。もし日本で作るなら、主材料の魚には鯉が一番適しているかもしれません。

  1. 魚は内臓だけでなく、臭みのもとになるヒレ、うろこ、歯を取り除いて三枚におろす。
  2. 頭は2つに割り、中骨の部分は5センチほどに切り分け、共に器に入れる。
  3. 右身と左身は3-4mmのそぎ切りにして別の器に入れる。
  4. それぞれに塩、料理酒、胡椒をふり、水を取り替えて汚れが取れるまでしっかり何度も洗う。
  5. どちらも水をよく切り、塩、料理酒、胡椒で下味をつける。
  6. 身には卵の白身を加えて粘りが出るまで一方向にぐるぐるかき混ぜてもみ込む。
  7. そのまま15分味を浸みこませ、最後に粉っぽくならない程度の片栗粉を加えて混ぜておく。
  8. 火にかけたフライパンに油、生姜、ニンニク、ネギのみじん切りを入れて香りを出す。
  9. 水、塩、料理酒、「味精」(wèijīng うまみ調味料)、「鸡精」(jījīng 鶏がらスープの素)、豆板醤、「底料」(dǐliào 鍋料理用のスープの素)を加えて沸騰させる。
  10. 青菜」(qīngcài チンゲン菜)、「豆芽菜」(dòuyácài もやし)など好みの野菜と8mmほどに切った「豆腐皮」(dòufupí 湯葉)を入れて軽く煮込み、火が通ったら取り出して深めの大皿に盛る。
  11. 魚の頭と骨の部分を鍋に入れて1-2分煮込んだら、取り出して野菜の上に盛る。
  12. 魚の身をスープに一切れずつ入れ、1-2分火を通したら取り出して大皿に重ね盛り、スープをよそう。
  13. 両手いっぱいの赤唐辛子、一握りの花椒、白胡麻をその上に置く。
  14. 上から熱した油をふりかけ、最後に「香菜」(xiāngcài 中国パセリ)のみじん切りを載せて出来上がり。

まとめ

本場中国の重慶や四川に行くことがあれば、ぜひ水煮鱼を食べてみてください。暑さと辛さに汗をかきながらも、その美味しさにきっとはまってしまいますよ。

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