中国語で夫は何と呼ぶ愛称は?時代と共に変化した呼び名

    1. 中国語単語・一覧

    中国語で妻が夫を呼ぶときに一般的に用いられる語は老公ですね。でも、夫はそれ以外にもたくさんの呼び方で呼ばれています。

    時代や地方による呼び方の違いもあるようですが、今回は昔から現代までの夫の呼び方を少し調べてみましょう。

    中国語で夫は何と呼ぶ愛称は?時代と共に変化した呼び名

    夫を表す中国語

    そもそも「老公」(lǎogōng)という語は「太监」(tàijiàn)を指していました。太监は宮中で仕える「宦官」(huànguān)です。それが時代を経て、今では夫を指す語になったのです。

    良人(liángrén)

    この語は男女の別なく用いられていました。つまり夫は妻を呼ぶ際に、また妻が夫を呼ぶ際にそれぞれ「良人」と呼んだのです。

    Cóng zhèr kěyǐ kàn chū dāngshí nánnǚ dìwèi bǐjiào píngděng de,

    从 这儿 可以 看 出 当时 男女 地位 比较 平等  的,

    dàn zhè zhǒng bù jiā qūbié yě gěi fūqī jiān chēnghu dài lái hěn duō bú biàn。

    但 这 种 不 加 区别 也 给 夫妻 间 称呼 带 来 很 多 不 便。

    ここからわかるように当時男女の地位は比較的平等だった。とはいえ、この区別のない用法は夫婦間の呼び方にかなりの不便をもたらした。

    郎(láng)

    良人」の用法にこうした不便があったために新しくできた呼び方が「」です。

    紀元100~120年頃の漢時代から宋時代にかけて編纂された漢字辞典《说文解字》(shuō wén jiě zì)によると、夫を表すために「」の右に「」を加えて「」にしたとあります。

    郎君(lángjūn)

    でも良家の婦女は家の外で夫を「」と単音節で呼ぶのを何となく気恥ずかしいと感じたようです。

    それで語尾に「」の語を一つ加えて複音節の語にしました。それが「郎君」です。

    妻を呼ぶ際も同様に、「」の左に「」を加えて「」(niáng)にし「」を加えて「娘子」(niángzi)にしました。

    これは当初若い女性に対して用いられましたが、のちに唐時代から宋時代にかけて妻を呼ぶ際に用いられるようになりました。

    公園で抱き合う中国アジア人の若いカップル。

    いろいろな呼び方

    官人(guānrén)

    宋時代になると官職についた自分の夫を「官人」と呼ぶ女性たちがいました。

    その影響で今でも新婚夫婦の新郎を「新郎官」(xīnlángguān)、新婦を「新娘子」(xīnniángzi)と呼ぶのです。

    外人(wàirén)・外子(wàizi)

    同じく宋時代には、上流階級の女性たちが自分の夫を「外人」とか「外子」と呼ぶようになりました。

    逆に夫は妻を「内人」(nèirén)と呼び、人前では謙譲語として「贱内」(jiànnèi)や「家内」(jiānèi)を用いるようになりました。

    相公(xiànggong)

    これは京劇の中でよく用いられている呼び方ですが、劇中の時代には「相公」が夫を呼ぶ流行の呼び方だったことを表しています。

    先生(xiānsheng)

    最も基本的な意味は日本語の用法通り「先生」(現代中国語では「老师 lǎoshī」ですが、そこに含まれる職業的、年齢的な尊敬と敬慕の念を込めて夫を呼ぶ際に用いられるようになりました。

    現在では華僑や香港・台湾地域でよく使われるようです。

    爱人(àiren)

    1920年代の新文学作品の中で使われ始めるようになった語ですが、当初は小説や「情书」(qíngshū ラブレター)の中で使われる程度でした。

    のちに新文化運動の気運が高まった1930年代末期から1940年代初期にかけて、知識階級の人々が夫と妻の別なく、配偶者に対する呼称として使い始めるようになりました。

    というのも、妻を「屋里的」(wū lǐ de)や「做饭的」(zuò fàn de)と呼ぶのは差別的で男女平等に反するし、「先生」や「太太」(tàitai)はブルジョア的で望ましくないと考えたようです。

    でも、この語は華僑にはあまり受け入れられませんでした。海外で「爱人」と言えば、正式な配偶者ではない日本語的な意味での「愛人」を指してしまうからです。

    説明: 2 人の女性の座が子音を立てて座っています。
关键词:中国

    婉曲的な呼び方

    妻が第三者に対して自分の夫を指す場合の用法として使われる婉曲的な用法がいくつかあります。

    我男人(wǒ nánren)

    直訳すれば「私の男」ですが実際は「うちの亭主」といった感じでしょうか。直接的な呼び方ですが、どちらかというと農村地方の女性が使うようです。

    我们家那口子(wǒmen jiā nà kǒuzi)

    「うちの家のあの人」という言い方になりますが、これは日本人でも言いますね。

    孩子他爸(háizi tā bà)

    「子供の父親」というと何となく他人のような感じがしますが、日本語でいうなら妻が夫に子供とのつながりで「お父さん」と呼ぶようなものです。

    逆に夫は妻を「孩子他妈」(háizi tā mā)と呼びます。

    まとめ

    中国の時代劇ドラマでは、時代ごとに異なる語で夫を呼んでいます。

    また現代劇でも話の中でわざといろんな呼び方で夫を呼ぶ場合があるので、比較して見てみると面白いかもしれませんね。

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