中国人の豊かさの価値観:文化の違いを比較する

  1. 中国経済・社会

「生活を豊かにする」ことを目指して人間は生きています。しかし自分がどんな状態になった時に「自分は豊かになったなぁ」と人は感じるのでしょうか?

日本と中国では豊かさを感じる瞬間が全く違うのです。

中国人の豊かさの価値観:文化の違いを比較する

日本においての豊かさとは

日本において豊かな生活というのは「ある程度経済的に安定し、家庭が平和で、健康的に暮らすこと」かもしれません。

日本の家のCMやショッピングのCMを見ると、それは明らかです。派手な暮らしがCMで描かれることはほとんどなく、安定した普通の仲の良い家族が楽しく住んだり、買い物したりする様子が表現されます。

日本においては、家庭円満こそが豊かさだからです。

中国においての豊かさとは

ところが中国において「豊かさ」というのは、単に家庭円満ではありません。中国人にとって「豊かさ」ひとえに下記のことを指します。

zhuànqián

赚钱

お金を貯めること

中国人にとっては「豊かさ=お金」です。といっても日本のようにコツコツ働いてお金を貯めて豊かになっていくというのではありません。

中国人にとってお金を貯める方法は「コツコツ」ではないのです。

ロケットが取り付けられた貯金箱が想像力豊かに飛行し、中国の創意工夫を最大限に発揮しています。

中国人が豊かになる方法

中国人はどうやってお金を貯めて幸せになりたいのでしょうか?中国人の頭の中をのぞくとこのようになっています。

mèngxiǎng yíxiàzi dà fācái

梦想一下子大发财

どういう言う意味ですか?

一攫千金を狙う中国人

梦想mèngxiǎng)というのは直訳すると「夢」ですが、夜に見る夢ではなく、「アメリカンドリーム」のようにいきいきとした人生を送るために追い求めるものを指してつかわれる言葉です。

その中国人の追い求めている「梦想」とは何でしょうか?

一下子大发财yíxiàzi dà fācái )です。一下子yíxiàzi)というのは「あっという間に」という意味で、コツコツ時間をかけないことを意味します。 大发财dà fācái )というのは「大金を掴むこと」です。

つまり中国人はいつも「あっという間に大金持ちになることを夢見て生活している」というわけです。豊かになるとは、労せず大金を掴むことなのです。

どこに中国人の考え方が表れているか

中国人のこの一攫千金の考え方は、年末年始の曲によく表れています。日本での年末年始の曲は「もういくつ寝るとお正月♪」というものです。凧をあげたり駒を回したりすることが平和な象徴として謡われています。

しかし中国人が年末年始で歌う曲はこんな曲なのです。

gōngxǐ nǐ fācái

恭喜你发财

お金持ちになっておめでとう

 

cáishén dào

财神到

福の神がやってきた

年末年始に中国のスーパーに行くと上記のフレーズがずっと流れています。

マクドナルドなどに行くと、子供用の曲も流れています。しかし子どもの曲にさえお金が幸福をもたらすという考えが入っています。

例えば子供用のお正月ソングとして「新年好」(xīnnián hǎo)というのがありますが、そのサビの部分の歌詞はどんなものですか?

yíng cáishén jiē yuánbǎo

迎财神接元宝 ♪

福の神をお迎えしてお金だ!

中国人は小さい子供時から幼稚園などでこうした歌を歌わされ「お金持ち=豊かさ」と植え込まれているのです。

国旗の背景上の中国金条。

豊かさの代償

悲しいことに中国にはこうした豊かさに関する価値観があるため、親たちは何よりもお金持ちなることを重視します。

中国人は若くして結婚してすぐに子どもを産みますが、ほとんどの家庭は子どもをおじいちゃんおばあちゃんに子どもを預けます。お父さんもお母さんもずっと仕事をするためです。

ひどい時は遠い都市に移り住んで、一生懸命お金を稼ぎます。

一年に一度、お正月にだけ子どもに会いますが、子どもに話すのは「将来良い会社に入ってお金持ちなるよう、勉強頑張りなさい」という成績に関する小言だけです。

子どもは親の愛情を感じることのないまま育ってしまうのは、中国の偏った豊かさの価値観の代償でしょう。

お金を最重要視していない日本の価値観のよさ

今日は中国の豊かさの価値観を考えました。日本にもお金が大好きな人はたくさんいますが、それでも日本文化としてはお金よりも家族の平和、健康という基本的な考え方が存在します。

お金にとらわれずに生活のバランスを保つという点では、日本のほうが中国よりも良いのかもしれません。

使える中国語をカフェで習得
何度でも聞ける1対1レッスンはコスパ最強
【先生を選んで、無料体験する!】

開く

この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます