中国伝統の奥深さを探る!独特なお灸の世界

    1. 中国語講座


    ご存知の通り中国の鍼灸は大変古い歴史があります。お灸は針よりも比較的簡単に自分でできる治療法ですが、昔からある方法に加え、近代になって開発された新しい治療法もあります。

    今回は中国独特のお灸のいくつかをご紹介しましょう。

    中国伝統の奥深さを探る!独特なお灸の世界

    起源と材料

    灸に使用される「艾绒」(àiróng もぐさ)は、ヨモギの葉の裏にある繊毛を精製したものです。「灸法」 (jiǔ fǎ お灸)は「艾灸」(ài jiǔ)とも呼ばれます。

    中国では、人が火の利用をコントロールできるようになった石器時代には既にお灸が行われていたとされています。

    当初は様々な種類の材料を使用していたようですが、松や竹、桑の葉など八種類の樹皮は人体に害になるため決して使ってはならないとされていました。

    そうした材料は徐々に淘汰されていき、最終的にヨモギの葉が最も効能があるとされたのです。

    一定量の艾绒を指で円柱状に丸めたものが「艾炷」(àizhù)で、用途によって親指大、そら豆大、麦粒大の大中小のサイズがあります。

    艾卷」(àijuǎn)は適量の艾绒を棒状に整えた後、規格大の紙に巻いて柱上に丸めた棒の形をしています。直径1.5cm、長さ20cmにもなります。艾卷は日本のネット通販でも輸入品が販売されています。

    中国で女性がマッサージを受けている。

    昔からある主な治療法

    昔からある主な治療法は「直接灸」(zhíjiē jiǔ)と「间接灸」(jiànjiē jiǔ)の二つに分かれます。

    そのうち麦粒大の艾炷を直接患部やツボに置いて火をつけるのが直接灸です。

    治療した部位を化膿させてわざと痕を残して治療するのが「瘢痕灸」(bānhén jiǔ)、化膿させず痕を残さないように治療するのが「无瘢痕灸」(wú bānhén jiǔ)です。

    瘢痕灸は最も歴史の古い治療法の一つで、晋時代や唐時代に最も盛んだったとされています。间接灸は「间隔灸」(jiàngé jiǔ)や「隔物灸」(géwù jiǔ)とも呼ばれます。

    ショウガやニンニクを2mm厚さにスライスしたものやすりおろしたニンニクの上に艾炷を置いて火を着けます。通気のためにスライスしたショウガやニンニク片の中心に少し穴をあけておくのがコツです。

    現代灸のいろいろ

    雀啄灸(quèzhuó jiǔ)

    またの呼び名を「艾卷灸」(àijuǎn jiǔ)ともいう「艾条灸」(àitiáo jiǔ)は昔からある治療法です。

    長さ約20cmの艾卷の点火先を患部やツボから2-3cmの所でくゆらせる「温和灸」(wēnhé jiǔ)は最も一般的な治療法でした。それを近代になって発展させたのが雀啄灸です。

    同じ距離からじっと艾卷をくゆらせるのではなく、患部やツボが熱さを感じるほど艾卷を近づけては離す動作を繰り返します。治療時の手の動かし方が餌をついばむ雀に似ているためにこの名前で呼ばれるようになりました。

    風邪の予防、下痢、高血圧、顔面神経麻痺などに効果があるとされています。

    温灸器灸(wēnjiǔqì jiǔ)

    竹製の四角い箱の四方に穴が開いており、長い艾卷を装着できる仕掛けが組み込まれています。

    それを背中や腰、腹部に置いて固定させ卷に点火し、患部が赤くなり汗をかくまで15-30分ほどくゆらせます。

    よく似たものに銅製・ステンレス製などの金属の円筒灸具を使用する「温筒灸」(wēntǒng jiǔ)があります。

    中国の木製テーブルの上に乾燥したタバコの葉が入ったボウル。

    长蛇灸(chángshé jiǔ)

    皮膚に刺激を与える物を用いた隔物灸を「天灸」(tiān jiǔ)と言いますが、そのうちの一種で「铺灸」(pù jiǔ)や「蒜泥铺灸」(suànní pù jiǔ)とも呼ばれます。

    うつぶせになってもらった患者の肩付近から腰までの広く長い範囲全体にニンニクの汁を塗布し、配合された粉末状の特殊な漢方薬をふりかけます。

    その上にすりおろしたニンニクを幅5cm、高さ2.5cmになるよう敷き詰めます。さらにその上に幅3cm、高さ2.5cm、上がとがった形になるように艾绒を敷きます。

    全体の形が背中を這う蛇のように見えることからこの呼び名がつけられました。肩に近い上部、背中の中央、腰に近い下部の三か所から点火します。

    Chángshé jiǔ shì mùqián jiǔ liǎo zhōng shī jiǔ fànwéi zuì dà、

    长蛇 灸 是 目前 灸 疗 中 施 灸 范围 最 大、

    yí cì jiǔ liǎo shíjiān zuì cháng de jiǔ fǎ。

    一 次 灸 疗 时间 最 长 的 灸 法。

    Gāi fǎ zì èr shí shìjì bāshí niándài zhōngqī bàodào

    该 法 自 20 世纪 八十 年代 中期 报道

    yòng yú lèi fēngshī guānjiéyán zhìliǎo yǐlái,

    用 于 类 风湿 关节炎 治疗 以来,

    yǐ yǐnqǐ zhēnjiǔ jiè de guānzhù。

    已 引起 针灸 界 的 关注 。

    长蛇灸は目下のところ灸治療の施術範囲が最も広く、一回あたりの施術時間が最も長い治療法である。この治療法は1980年代中期に関節リウマチ治療に用いられていると報道されて以来、すでに鍼灸界の注目を引いている。

    一度目の艾绒が燃え尽きたら、その上からもう一度艾绒を敷き詰め再度点火します。

    施術後、皮膚は赤くなり、自然に水泡ができますがこれを三日目まではつぶしてはいけません。慢性肝炎や脊柱炎にも効果があるとされています。

    まとめ

    さすがは本場中国のお灸ですね。まだまだいろんなお灸治療がありますから、中国人の友人に教えてもらうのもいいかもしれません。

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