中国で流行のプリキュアもどきとは

    1. 中国ドラマ・アニメ

    「プリキュア」といえば、日本ではお馴染みの魔法少女アニメですが、日本で流行しているものはたいてい中国でも人気があります。中国で日本の番組だろうと思って、よく耳を傾けると実は中国の番組だったというケースです。中国で流行しているプリキュアに似たアニメ「巴啦啦小魔仙」を紹介しながら、中国のアニメ事情について考察していきます。

    中国で流行のプリキュアもどきとは

    中国の子供番組人気の移り変わり

    中国の子供たちも常に面白いものに敏感です。

    40年ほど前、子どもたちからして面白いものはほとんどありませんでした。そこで人気があったのは日本から来た漫画の「一休さん」(聪明的一休:cōngmíng de yìxiū)や「花のルンルン」(花仙子:huāxiānzǐ)です。

    日本ではすっかり昔のアニメですが中国では競って子どもたちが見ていました。

    それからさらに10年ほどして、もっと刺激の強いウルトラマン(奥特曼:àotèmàn)やセーラームーン(美少女战士:měishàonǚ zhànshì )などが人気を集めるようになりました。

    これも日本ではすっかり人気が落ちた後に中国で流行り始めました。じわじわとですが、国民の嗜好により日本の影響が中国に浸透してきます。中国としてはそれをとどめる必要がありました。

    そこで中国も日本から特撮技術(特技摄影:tèjìshèyǐng)を取り入れ、最近では中国産のアニメ(动漫:dòngmàn)や実写版(真人版:zhēnrénbǎn)が制作されるようになりました。

    しかし独自のものではなく、中国語版アニメや実写版は驚くほど日本のものと似ているのです。

    中国のショーケースに展示されているセーラームーンのアクションフィギュア。

    プリキュアを参考に

    中国は外国ではやっているものをいち早く取り入れる能力にたけています。

    数年日本で人気を博しているプリキュア(魔法使光之美少女:mófǎ shǐ guāngzhī měishàonǚ)を中国がほっとくわけがありません。

    そこで誕生したのが…

    bā la la xiǎo mó xiān zhī mènghuàn xuánlǜ

    巴啦啦小魔仙之梦幻旋律

    これを直訳すると「バララ 小さな魔法仙人の夢幻のメロディー」となんだか分からない意味となります。中国語ではしっくりくるネーミングなのでしょう。

    内容を見るとこれは日本のプリキュアやセーラームーンかと思うほどの出来で、今や中国の女の子の心をわしづかみしています。

    巴啦啦小魔仙之梦幻旋律の特徴

    アニメの「巴啦啦小魔仙之梦幻旋律」や実写版の「巴啦啦小魔仙」をみると日本人は開いた口が塞がらないようないくつかの特徴を発見します。2つほど紹介しましょう。

    dēngchǎng rénwù de yánsè yíyàng

    1、登场人物的颜色一样

    登場人物の色が同じ

     

    biànshēn shíjiān jiào cháng

    2,变身时间较长

    変身シーンが長い

    そう日本のものと瓜二つなのです。

    構成がプリキュアにそっくり

    出てくる女の子たちにはそれぞれ色があり、日本のプリキュアやセーラームーンと一緒の配色です。

    赤(红色:hóngsè)、青(蓝色:lánsè)、黄色(黄色:huángsè)、緑(绿色:lǜsè)、紫(紫色:zǐsè)です。もちろん赤が主人公となります。

    すてきな王子様系の男性がいてその色は黒(黑色:hēisè)です。

    敵は中年の女性で、巨大な権力と魔法で世界を支配しようとしています。最後は女の子たちが変身して、途中王子様の助けてもらいながら、悪玉をやっつけるというお決まりパターンです。

    変身が長い

    日本のプリキュアも変身シーンが異様に長いですが、これは女の子たちが一番興奮するシーンとなっています。

    これ点は中国の女の子も同じで、日本ほどではないのですが女の子たちが全員変身し終わるまでに3分はかかります。

    しかしその間、敵は攻撃しません。これまた共通点です。

    中国でソファに座ってテレビを見ている母と娘。

    中国のものと思っている人も

    これらプリキュアもどきのアニメを見ると、明らかに日本のものをそのもの取り入れていると思いますが、見ている子どもたちはそれを心から中国のアニメだと信じています。

    何でもよいものは取り入れる柔軟性はとても参考になります。日本もこのような融通性があるなら今も中国のように発展していたかもしれません。

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