中国人の仕事観!朝9時開店の店が開かないワケ

    1. 中国歴史・民族

    そのお店は朝九時から開店です。仕事前にその店で朝食を食べていこうと思い九時にいきますが、なんとそのお店のシャッターはまだ閉まっています。

    これは中国ではよくある光景なのですが、なぜ九時開店のお店が九時に開いてないのでしょうか?

    中国人の仕事観!朝9時開店の店が開かないワケ

    朝9時開店とは?

    中国で九時開店というのは、お店の人が家からやってきて九時にお店のシャッターのカギを開けるという意味です。シャッターを開けているお店の人に「九時から開店じゃなかったか?」と文句を言うと普通にこういわれます。

    děng yīxià

    等一下

    ちょっとまて

    何事もなかったように真顔で「ちょっとまて」と言われます。シャッターを開け、店内の電気をつけ、やれ昨日の片づけなどをして5分くらいすると…

    yào shí me ya

    要什么呀?

    何がいるの?

    一応、対応はしてくれます。店によりますが、 九時開店のお店で実際商品を売り始めるのは 九時十分くらいからでしょう。

    なぜお客さんが 九時に来るかもしれないのに、準備を前もってしないのでしょうか?

    中国からのお金が入った天秤。

    中国人にとって仕事はいつからか

    九時にしか店員が店に来ない理由は簡単です。九時からしか給料が発生しないからです。オーナーは 九時から店員を雇っているわけなので無駄な仕事はしたくありません。

    一応お店のオーナーは「前もって来て準備をしてくれ」言っているのですが、中国人のほとんどの反応は「なんで九時からしか給料発生しないのに前もって来ないといけないの?」となるわけです。

    日本人経営者からすると「お客様を待たせるなんてとんでもない。いったいどういう感覚なんだ!」と感じるかもしれませんが、実は中国人のこの「給料が発生する時間しか会社のためには働かない」という感覚のほうが、むしろ国際基準です。

    打工dǎgōng)と呼ばれる時給で雇われるアルバイトに前もって準備してほしいのであれば、前もってお金を払わなくてはいけません。

    精神論で経営できる日本

    日本は人様に迷惑をかけてはいけない国家なので、九時からのコンビニアルバイトは必ず前もって来て制服に着替えて九時にはすでに仕事を始めています。

    八時からの工場仕事で八時からしか給料が出ないのに、七時五十分から流れるラジオ体操にはみんな参加します。

    「毎週木曜日は七時三十分から工場の全体掃除があります。参加は任意です」と言われます。給料が出ませんがおそらくみんな参加するでしょう。こんな精神論で経営ができるのはむしろ日本くらいなのかもしれません。

    手に黄色い星を持つ女性の中国。

    中国に開店前準備をさせるには

    では給料時間以外には働きなくない中国人に、すすんで開店前の準備させるにはどうしたらいいのでしょうか?方法があるのです。

    lǎobǎn jiǎnxuǎn yuèdù míngxīng yuángōng

    老板拣选月度明星员工

    オーナーが今月のスターバイトを選出する

    中国のケンタッキーやマクドナルドなど外資系ファーストフード店でよく使われている方法です。

    店長が今月の一番まじめに働く優秀なアルバイトを表彰し、その人が「今月の優秀バイトです」と顔写真入りでお店に張り出すのです。少しの表彰金も用意します。

    メンツを重視する中国で自分が優秀バイトに選ばれるために、バイトたちは競ってお給料が発生しない開店前の準備をしだすのです。

    国民性をつかんだ経営

    将来中国人に働いてもらうことがあるかもしれません。単に日本のように「みんなそうしてるんだから」と協調性に訴えても中国人の心は動きません。

    少しの特別表彰金を用意したり、みんなの前で表彰したりしなければただ働きはしてはくれないのです。

    他国民と仕事をするときはその国民性を知って経営することは重要ですね。

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