日本では好きな人と好きなように結婚できます。この当たり前のように見える結婚の自由は近年話題になっているインドの例に見るように、外国では当たり前ではありません。
お隣の国中国では、誰が結婚相手を決めるのでしょうか?それは親が決めるのです。
レッスンの内容
結婚相手は親が決める
中国はインドのように「女性に人権がないから自由に結婚相手を選べない」というのではありません。
「子どもの結婚相手は親が見つける」という文化なので親が決めるのです。そのため中国では、子どもたちが大学を卒業するや否や、親から矢継ぎ早に結婚の圧力をかけてきます。
「恋人はいるのか」「恋人がいるならその人の年収はいくらなのか、何の仕事をしているのか」「恋人いないのならこの人はどうか」などなど。
旧正月(春节:chūnjié)のときなどは、中国人はよく家族や親族と団らん楽しみます。大学卒業したての時は上記のようなことばかりなのでストレスでしかありません。ノイローゼになります。
親は人生経験がある?
本来は若い人より人生経験が長い親たちは、人の本質を見る力が優れているはずです。では結婚相手を親が選んでくれることは助けになっているのでしょうか?
必ずしもそうではないようです。
これは中国の習慣なのですが、親が子どもの結婚相手を見る点は「誠実な人か、利他的な人か」などではありません。
結婚候補の何を見るのでしょうか?
自分の娘の結婚相手の条件
親が見る娘の結婚相手に求める条件は下記のようなものです。
xuélìduōgāo
1,学历多高?
学歴はどれくらい高いの?
gōngzīduōgāo
2,工资多高?
月給はいくらなの?
yǒufángyǒuchē ma
3,有房有车吗?
家はあるの?車は持ってるの?
親たちはお婿さん候補の性格や特質などには、あまり関心を示しません。「経済的に安定している人かどうか」この一点を確認しようとします。もしも貧乏な男性と結婚したいとでも言い出そうなものなら猛烈に反対されます。
次に自分の息子が結婚相手を見つけるときの条件を見ていましょう。
息子の結婚相手に求める条件
やはり家や車は男性が購入するものなので、自分の息子のお嫁さんに求める条件には「家を持っているか」などではありません。お嫁さんに求められている条件は、基本的に下記の一点です。
piàoliang ma
漂亮吗?
きれいな人なの?
やはり女性に求める条件は主に「美しさ」のようです。ほかにも「よく働く人か」「頭のいい人か」「自分の息子にある程度見合う学歴のある人か」なども見られるようです。
結婚相手を親が決めた結果
親と親族の圧力に負けて、経済力がある好きでもない人と結婚していきます。どういう結果になりますか?
sìduìfūqīzhīzhōngyīduìfūqīyīniánnèilíhūn
四对夫妻之中一对夫妻,一年内离婚。
4組の夫婦のうち1組の夫婦は1年以内に離婚する
経済力を重視して結婚させられた二人は、引き続きお金を稼ぐために別々の大都市で働き、お互い独身のような生活を送ります。電話をしてもお金の話ばかり、すぐに夫婦関係は疎遠となり、やがては離婚するのです。
圧力をかけた結婚させた親たちは?
無理やり圧力を掛けて結婚させた親たちはどうなのでしょうか?
親たちは圧力をかけて子どもたちに結婚させたら今度は子供を作る圧力をかけます。そしてすぐに子供が生まれます。
子どもが生まれると、お父さんお母さんはお金を稼ぐために他の大都市に移動してしまうので、生まれた子供を育てるのはおじいちゃんおばあちゃんの役割です。
つまり息子娘の夫婦の不仲をしり目に、自分たちはかわいい孫と暮らせて、なおかつ経済的には安定していて幸せな老後というわけです。
一番の被害者は?
親の策略で結婚した夫婦は、幸せではありません。しかし最大の被害者は子どもたち夫婦ではないのです。一番の被害者は誰でしょうか?
それは生まれた孫たちです。
小さな孫たちには一番親の愛情が欲しい時に親がいません。親がくれるのはお金だけです。
春節の時などに親にやっと会えたと思ったら、久しぶりに会った親は「学校の成績はどうなか?」「週末の塾を増やしなさい」と言い出し、結局は良い大学に進み、高学歴となるように圧力を受けるのです。
中国で幸せが訪れるのはいつ?
子ども時代は学力競争、卒業すれば結婚圧力、結婚したら子作り、子どもができれば定年まであくせく働かせられるのです。
中国で幸せに感じるのはいつですか?
それは退職後、子どもや孫を自由自在に操れるようになった時です。その時こそが孫の世話をしながら悠々自適に幸せに暮らせるというわけです。