文化・習慣

古代中国女性の額のワンポイントメイク-花钿

いつの時代も女性は美しいものに敏感です。中国の時代劇ドラマや映画で登場する古代女性が、額に花などの模様をあしらったワンポイントメイクをしていますね。これは当時女性たちに大変人気だった「花钿」です。

今回は花钿にまつわる話をご紹介しましょう。

花钿の色、デザイン、材料

考古学の発掘によると「花钿」(huādiàn 花鈿)には基本的に赤、緑、黄の三色があり、最もよく使われていたのは赤色です。

たとえば敦煌莫高窟の唐時代の壁画には、主に赤色の花钿を施した女性が描かれています。花钿の材料とデザインは多種多様です。簡単なものは小円形や花形に切った紙で、一番多用されたのは梅花模様でした。

やがて唐時代には宮廷女官の間で花钿が大いに流行りました。桃の実の形、牛角形、扇面形などデザインは複雑になり、真珠、金箔、魚鱗、螺鈿、水鳥の羽根やトンボの翅までも材料に使うようになりました。

これを粘着力の高い「呵胶」(hējiāo 魚の浮袋が原料の膠の一種)で額に貼ったのです。

けがの功名?-三国志に残る記録

花钿の始まりには諸説あります。その一つが三国志の時代、呉の「孙权」(SūnQuán 孫権)の息子で皇太子の「孙和」(SūnHé 孫和)と寵姫の「邓夫人」(Dènghūrén 鄧夫人)の物語です。

月の美しいある夜、酒の酔いに任せて孙和が舞を舞っていたところ、誤って手が邓夫人の頬に当たりけがをさせてしまいました。急いで侍医に傷の処置をさせたのですが、何ヶ所かの赤い斑点は消えませんでした。

ところがそれがむしろ邓夫人の美しさを際立たせるようになったと孙和が喜んだため、宮廷だけでなく民間でもわざと赤い点を頬に載せる化粧が流行するようになったのです。

楊貴妃の哀れな最期を飾る

詩人白居易が著した長編叙事詩「长恨歌」(chánghèngē)には、傾国の美女と称された「杨贵妃」(Yángguìfēi)の哀れな最期が描かれています。

味方の兵から杨贵妃を処刑するよう迫られた唐の玄宗皇帝は泣く泣くそれに同意し、杨贵妃はその場で死を賜ります。

Huā diànwěidìwúrénshōu。

花钿委地无人收。

容易に落ちるはずのない花钿が贵妃の額から外れて地面に落ちたままになったが、それを拾おうとする者は誰もいなかった。

王女の額に落ちた蝋梅の花びら・花黄

花钿に似たもう一つのメイクが「花黄」(huāhuáng)です。これは黄色い顔料を額に塗り、さまざまなデザインに切った金色の紙などを額に貼るメイクです。

南朝宋武帝(西暦4-5世紀)の娘「寿阳公主」(Shòuyánggōngzhǔ 寿陽王女)が女官たちと遊び疲れて横になって休んでいると、近くに咲いていた「腊梅花」(làméihuā 蝋梅の花)の花びらが、そよ風に運ばれて彼女の額に落ちました。

汗で黄色の花の痕が残り、それがあまりに美しかったのをすっかり気に入った皇后は、三日間は洗わずにそのままにしておくようにと言いました。

それからというもの、寿阳公主は時折蝋梅の花を摘んでは額につけるようになり、女官たちもこぞってそれを真似たのです。

このメイクは蝋梅の花が黄色かったので「黄花」(huánghuā)、またその形から「梅花妆」(méihuāzhuāng)とも呼ばれるようになりました。

ムーランも愛用した花黄

これと比較的近い時代の有名な女性がムーランです。ムーランが戦場から十数年ぶりに帰郷した際、最初にしたのがメイクです。

木兰诗》(Mùlánshī)の原文と訳文を見てみましょう。

Tuō wǒzhànshípáo,zhùwǒjiùshíshang。Dāngchuānglǐyúnbìn,duìjìngtiēhuāhuáng。

脱我战时袍,著我旧时裳。当窗理云鬓,对镜帖花黄。

Chū ménkànhuǒbàn,huǒbànjiējīngmáng:tóngxíngshí’èrnián,bù zhī Mùlánshìnǚláng。

出门看火伴,火伴皆惊忙:同行十二年,不知木兰是女郎。

私は戦で着ていた兵服を脱ぎ、以前の娘装束に着替えた。窓の前で鏡に向かい、美しい髪を整えて髷を結い、額には花黄を貼った。

外に出て共に戦った仲間たちに会いに行くと、彼らは皆あっけにとられた。12年間一緒にいたがムーランが女性だと全く知らなかったのだ。

まとめ

近年では「婚纱照」(hūnshāzhào ウエディングフォト)を撮影する際、漢服を選ぶカップルが花钿をメイクにチョイスする場合があります。

また華流時代劇で女優たちがどんな形や色の花钿を使っているか注目してみるのも面白いですよ。

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