複雑な模様を紙に切り抜いた伝統的な中国切り絵細工。多くの中国人は窓や部屋の壁に貼っていますね。
赤い紙の「囍」は新婚世帯の家に貼られていますが、ほかにもその模様や文字によって、いつどんな時にどこに貼るのかいろいろな意味があるようです。
レッスンの内容
モチーフ構成の意味
切り絵細工のモチーフは多くの場合、吉祥を表すとされる動植物などをいくつも組み合わせて製作されています。
モチーフが一つであれ複数であれ、その対象をもとに何らかの意味を持たせるように作られているのです。
Dìyù de fēngbì hé wénhuà de júxiàn,yǐjí zìrán zāihài děng nìjìng de qīnrǎo,
地域的 封闭 和 文化 的 局限,以及 自然 灾害 等 逆境 的 侵扰,
jīfā le rénmen duì měimǎn xìngfú shēnghuó de kǔqiú。
激发了 人们 对 美满 幸福 生活 的 渴求。
Rénmen qíqiú fēng yī zú shí、réndīng xīngwàng、jiànkāng chángshòu、wànshì rú yì,
人们 祈求 丰 衣足食、人丁 兴旺、健康 长寿、万事 如意,
zhè zhǒng pǔsù de yuànwàng,biàn jiè tuō jiǎnzhǐ chuándá chūlai。
这 种 朴素的 愿望,便 借 托 剪纸 传达 出来。
地域的閉鎖と文化の限界、及び自然災害などの逆境がもたらす混乱が、人々の満ち足りた幸福な生活に対する切なる願いを刺激した。
人々は衣食が満ち足りた豊かな生活、子孫の繁栄、健康と長寿、何事も思いの通りに運ぶことを願った。
こうした素朴な願いが切り絵細工に託され、広まるようになった。
主なモチーフ
鹿鹤同春
「鹿鹤同春」(lùhètóngchūn)は民間の伝統的切り絵細工の主要モチーフです。
「候鸟」(hòuniǎo)は渡り鳥の総称ですが、これを鶴と呼んでいます。また鶴は長寿の鳥とみなされています。
鹿は「禄」(lù「官吏の給与」)と同じ発音であることから、「鹿鹤」(lùhè)の組み合わせは健康長寿、豊作祈願を意味しています。
さらに春は生きる喜び、生命讃歌を表しているので、病魔や死から逃れ、永遠に生きたいという人々の願望が表れています。
鹰踏兔
「鹰踏兔」(yīng tàtù「兎を踏む鷹」)も伝統的模様の一つです。
民間神話の中で鷹は男性を、兎は女性を表すことから、男女の愛情、生殖崇拝、子孫繁栄の祈願のモチーフとして結婚初夜の部屋に飾られてきました。
抓髻娃娃
「抓髻娃娃」(zhuā jìwáwa)-「抓髻」(zhuā jì)は昔、未婚の女性が頭の両側に結った髷の事です。
頭の両側に髷のある子供の人形をモチーフにしたこの切り絵は、魔除け、悪霊退散の意味で用いられてきました。
モチーフの特長
こうした題材の作品には、とても大きな魚、大きな鳥、大きな卵、といったようなモチーフの誇大表現という共通点があります。
そうすることで人々は人間の力を誇示し、自然の偉大な力をも征服できるのだという気持ちになり、現実の苦しさを耐え抜いていこうとする原動力にしようとしたのです。
張る場所
张贴用
张贴用(zhāngtiē yòng)-「窗花」(chuānghuā)という種類を用い、直接門扉や柱、壁、窓、飾り提灯に貼ります。
北方の農家でよく見られますが年末になると古いものを外し、新しいものを貼り直して新年を新しい気分で迎えます。
摆衬用
摆衬用(bǎichènyòng)-花嫁道具、礼物の飾りつけ、供え物に用います。
「喜花」(xǐhuā)という種類を新婚夫婦が用いる様々な日常生活用品、たとえば鏡、茶器、石鹸ケースなどに貼ります。
赤色を基調としており、ありとあらゆる吉祥のモチーフが使われています。引き出物の餅や卵には「礼花」(lǐhuā)という種類の模様を用います。
刺绣底样
刺绣底样(cìxiù dǐ yàng)-刺繍の下地模様として、衣服、靴、帽子、枕に用います。
布で作られる靴の刺繍の下地には「鞋花」(xiěhuā)が使われますが、小花模様や三日月模様などがあります。
印染用
印染用(yìnrǎnyòng)-プリント柄印刷の版木に用います。布地、布団カバー、カーテン、ふろしき、ターバン等に利用されます。
よく見知っている窓や壁に貼っている以外にも、こんなにも様々な用途で切り絵細工が使われているとは驚きです。
いろいろな場所で、どういう物に、どんな切り絵細工が使われているのか探してみるのも面白いかもしれませんね。