出会ったときに最初に話しかける言葉は「こんにちは」です。同じような感覚で中国人に「你好!」(nǐhǎo)とあいさつしますが、中国人はちょっと変な顔をし、間をおいて「你好」と言い返してくれます。
実は一番有名な中国語「你好」を中国人はあまり使わないのです。
レッスンの内容
生活用語とビジネス用語
日本にも生活用語とビジネス用語というのがあります。例えば「断腸の思いです」なんて言葉を生活で使うことはないでしょう。
同じようにごくごく当たり前のように感じる「你好」という言葉も、中国人の間において生活用語で使うのには違和感があるのです。
ビジネス界専門用語に
といっても「你好」を使うことが全くないわけではありません。ビジネス界では使うのです。
仕事以外で友達と会ったときに「你好」は言いませんが、会社で上司(上司:shàngsi)や同僚(同事:tóngshì)にあったときには「你好」と言います。
いまや中国で「你好」はビジネス界専門用語(商务术语:shāngwùshùyǔ)となりつつあります。

友達に会ったときの一言
実は上記で述べたことは、よく聞かれる中国語あるあるで、中国語の教科書などにも注意事項としてよくのせられています。
その代わりにどんなことが中国人は使うのでしょうか?たいていの中国語の教科書には次のように載せられています。
chīfàn le ma
吃饭了吗?
ご飯食べた?
これが実際の中国人同士の最初の挨拶だと、昔ながらの教科書にはよく載せられています。
実は「吃饭了吗?」も時代遅れ
吃饭了吗?(chīfàn le ma)は長い間、生活用語として挨拶の際に使われてきました。文化大革命後の食べるものがない時代の中国において、人々の関心事は「ご飯は食べたのか」だったのです。
しかし最近の中国において食べることに困るという事はありません。「吃饭了吗?」は、もはや中国人にとって心から出る自然な一言ではなくなってしまいました。
では最近の若者は友達と会ったときに最初の一言、何と言うのでしょうか?

最近の日常会話の挨拶
最近の大学生たちは生まれた時から食べたいものを食べています。友達に会ったとき「吃饭了吗?」は自然とは出てきません。もちろん「你好」もあまりにも決まり文句過ぎて言う気になれません。
そこで使うのが
hālóu
哈喽
です。
実はこの哈喽(hālóu)には中国語的に意味がありません。
今の学生たちは小学校から英語を学んでおり最初に学ぶのが英語の「hello」なのです。学んだ英語を友達同士で使います。大学生になってもその癖がついているので英語であいさつしているのです。
哈喽(hālóu)は、あまりにも多くの中国人が「hello」を使うので、後からつけられた中国語の当て字というわけです。
時代とともに変わる言葉
今中国の若者の間では哈喽(hālóu)が主流ですが、さらに中米の関係が冷え込むと哈喽を使うのもはばかれる国内情勢になるかもしれません。その時はどんな挨拶を使うことになるのでしょうか?
言語というのは時代と共に変化するので、今実際に現代人が使っている言葉に敏感であり、自分だけ死語(死语:sǐyǔ)を使って恥をかくことがないように気をつけましょう。