日本語においても自分は上手に話せていると感じていても、他の人からすると聞きづらい発音というケースは少なくありません。
声調言語である中国語はなおさらです。伝わる中国語の発音が身につくように努力が必要です。
レッスンの内容
発音が上手な人がやっていること
簡単に前回触れた点の復習です。中国語の発音が上手な人は普通の人はなかなかしない以下のことをよくやっていました。
yǐngzǐgēndúfǎ
1,影子跟读法
シャドーイング
tīngzìjǐ de lùyīn
2、听自己的录音
自分の録音された発音を聞く
前回「シャドーイング」という耳に聞こえたネイティブ発音をそのまま真似るという方法を考えました。思い込み発音を避けるうえで重要な過程です。
今回は2番目の「自分の録音された発音を聞く」という方法を考察しましょう。

なぜ録音された自分の声を聞くのか
なぜ発音向上のために自分の録音された声を聞くのがいいのでしょうか?
それは自分が発音した声が、他の人に聞こえるのと自分に聞こえるのとでは大きな違いがあるからです。
知っておいたほうがいいことですが、自分に聞こえる声にはある程度満足していても、他人にはおかしな声に聞こえているということがありうるのです。
気道音と骨導音
自分が発生した声は、自分に2種類の音として伝わります。「気道音」と「骨導音」です。
気道音とは空気を通して伝わる音です。誰かが話すと空気に波が生じて、それを自分の鼓膜が感知し声として認識します。
骨導音とは自分が発生する際に声帯が揺れるのですが、その声帯の揺れが自分の骨に振動を与えて耳に伝わる音です。
骨導音を理解するために、ちょっと指で両耳の穴をふさぎ、「あいうえお」と発音してみましょう。結構大きな音で耳の中でこもった「あいうえお」が聞こえることでしょう。それが骨導音です。
自分が発声した時は、他の人には聞こえていないこの骨導音が耳に影響するために、周りの人とは違う形で聞こえるのです。
自分の録音された声を聴いてみると
自分で自分の声を録音し聞くと普段は聞こえている骨導音がない状態で耳に伝わります。
たいていの人が自分の声を聞いた感想は不好听(bùhǎotīng)つまり「変に聞こえる」ことでしょう。「自分の声はこんな風に聞こえていたのか…」とショックを受ける人が大半です。
つまり自分では上手に発音できているつもりの中国語も、録音されたものを聞いてみると聞いてられないという人は少なくないのです。

上手な人は繰り返し自分の声を聞いては訂正する
自分の発音を録音して聞くと落ち込みますが、上手になっている人は録音した自分の発音が満足いく領域になるまで、自分の声を録音しては訂正し、録音しては訂正しを繰り返します。
自分で録音した中国語の発音がある程度満足できる域に達したなら、きっと他の人も満足できるレベルになっていることでしょう。
面白いことに、中国語が上手でない人でも、他の人の話す中国語が上手かどうかは正しく批評できているケースが多いのです。実は自分の発音した中国語に対しても同じ批評を行えば、上手になります。
自分の発音を録音するときには忍耐が必要
今回は中国語発音を向上させる秘訣として「自分の声を録音する」という方法を考えました。
録音した自分声を一度聞いたら、この練習法はやめたくなりますが、忍耐してそれを乗り越えると確実に発音能力は上昇することでしょう。