言語というのは口で話すだけではありません。中国にも耳の聞こえない方のための「手話」という言語があります。
中国手話ができると、さらにコミュニケーションの幅を広げることができるでしょう。どうすればできるようになるのでしょうか?
レッスンの内容
中国の聴覚障碍者の割合
中国には日本よりもはるかに多い2000万人の聴覚障碍者がいます。中国人口は人口が14億人と言われていますが、日本は1億2000万に36万人の聴覚障碍者であることを考えるとその割合が多いことが分かるでしょう。
それだけ中国手話を覚える価値があるというわけです。
聴覚障碍者の中国語
さて、聴覚障碍者のことを中国語で何と言うのでしょうか?
lóngyǎrén
聋哑人
聴覚障碍者・ろうあ者
差別用語ではありませんが、使われなくなってきている「ろうあ」という言葉の漢字は「聾唖」で、これは中国語の漢字と同じです。こう考えると覚えやすいでしょう。
つづいて中国手話の特徴を見ていきましょう。
共通する手話
手話というのは「動き」を表現したものが多いので、共通した手話が当然多くなります。例えば「立つ」(站:zhàn)は左手の手のひらを上にむけて平らにし、そのうえで右手の人差し指と中指で立てると「立つ」という意味になります。
これは日本でも中国でも、おそらく他の国でも共通する手話となるでしょう。
つまり手話というのは共通しているもの、表情の作り方などが同じであるため、日本手話がすでに分かる人は全く勉強してなくても中国手話を見ればある程度言っていることが分かるのです。
日本手話が分かる人にとって、中国手話は半分学習が終わっているようなものでしょう。
共通しない手話
人間の動作はある程度似ていても、文化や字の作りが各国違うので多少の手話表現方法も異なります。
例えばよく挙げられるのは「こんにちは」です。
日本は礼儀を大切にする国なので、手話も重々しくなります。日本手話での「こんにちは」は、敬意を表すような感じで左上を胸の前で横にし、そこで「ごめんなさい」をするときのように右手を上下に動かすというものです。
ですが、中国文化におけるあいさつはもっと軽いのです。
中国手話の「こんにちわ」(你好:nǐhǎo)は、「グッド!」と指で表すようにこぶしを握り親指を立てます。その親指の第一関節のところで2回ほど曲げるというものです。
中国手話を覚える方法
漢字を再現
中国手話を覚えるには中国の漢字、そして中国語の文法を簡単に覚える必要があります。中国手話の多くは中国の漢字を表現したものです。
例えば分かりやすいように日本にもある漢字を例にとりましょう。例えば「井」という漢字を中国手話で表現するには左手と右手の人差し指と中指を縦と横にし、垂直に合わせて「井」という字を手で作ります。
同じように「王」という漢字は左手の3本指を横西、右にて人差し指を真ん中に立てて「王」という漢字を作るのです。この中国手話の表現方法は他の中国にしかない漢字にも当てはまります。
中国語文法を再現
中国手話は基本的に中国語の文法に倣っています。例えば「私はあなたを愛しています」を中国語で表現すると我爱你(wǒàinǐ) となります。
つまり中国手話と日本手話は「私」「あなた」「愛してる」の手話表現方法はほぼ同じですが、順番が違うのです。
日本語の手話は「私」「あなた」「愛してる」の順番で、中国手話は「私」「愛してる」「あなた」の順番となるわけです。
中国手話を覚えるには、基本的に中国語文法では何というのかと知っておく必要があるでしょう。そうでないと表現の順番が違うからです。
中国の手話を覚えるにもまずは中国語基本会話
中国手話を取得するという目標を達成するには、まず最初の一年は中国語の基本会話をするのが早道でしょう。
確かに世界の手話言語は共通しているものが多いのですが、中国語という基礎の上に中国手話が成り立っているからです。