中国人と交流する際に、どうにかみんなに喜んでもらいたいと思うときがありますよね。そんなときに便利なのが歌をうたうことです。
レッスンの内容
中国人が喜ぶ歌の条件
たとえお互いに言葉が通じなくても、一緒に一つの歌をうたえば楽しい時間を過ごせます。こんな歌を中国人にうたうと喜ばれる、という日本の歌を紹介しましょう。
中国人が喜ぶ歌の条件は簡単です。中国語で表現しましょう。
tīngguò de shúxīxuánlǜ
听过的熟悉旋律
听(tīng)は「聴く」という意味の動詞です。動詞の後に~过(guò)がつくと「○○したことがある」と経験を表す動詞となります。
熟悉(shúxī)は「とてもよく知っている」という意味で、旋律(xuánlǜ)は日本語の漢字の意味のまま、「旋律」もしくは「メロディー」という意味です。
まとめると中国人が好きな日本の歌の条件は、「すでに聞いたことがあり、よく知っているメロディー」ということになります。
中国でポピュラーな日本の歌
どんな日本の歌を中国人はよく知っているのでしょうか?演歌、歌謡曲、漫画の歌の3分野で見ていきましょう。
演歌系
中国で日本の演歌はそこそこ人気があります。中国にはもっぱら日本の演歌のことを指す演歌(yǎngē)という中国語が存在しているほどです。
演歌の日本独特の歌い方に魅了され「わたしは日本の演歌が大好き」という中国人は少なくありません。
しかし日本でも演歌はすべての人が聴くわけではないように、中国でも日本演歌を聴く人はわずかです。ですがほぼ100%の中国人が知っている演歌があります。それが…
běiguózhīchūn
北国之春
北国の春(千昌夫)
中国人との交流でどうしたらいいか困ったら、とりあえず北国の春を歌い始めるといいでしょう。
中国人の前で歌うときは、もちろんですが日本語で「しらかば~♪」と唄えばOKです。中国語の歌詞もあるのですが、日本人なら日本語でうたったほうが元歌のプレミア感があって逆に喜ばれるからです。
他にも演歌系ではテレサテン(邓丽君:dènglìjūn)の曲もいいでしょう。彼女がすべて中国語でもうたっているので、中国人なら皆聴いたことのあるメロディーです。
歌謡曲系
日本の歌謡曲は中国人でも年代によって知っている曲が違います。ジャニーズ系やAKBなどは若者はよく知ってますが、30歳以上の中国人には歌っても分かりません。
ではどの年代の中国人も知っている日本の歌謡曲を紹介しましょう。
夏川りみ「涙そうそう」
キロロ「未来へ」「長い間」
中島美嘉「雪の華」
中島みゆき「銀の竜の背に乗って」
なぜこれらの曲を歌うと中国人が大喜びするかと言ったら、理由は単純です。全部中国でカバーされているからです。
といってもメロディーだけが残って歌詞はそっくり入れ替わっているパターンも見受けられます。
例えばキロロの「未来へ」は本来、母親に向けた感謝の歌ですよね。ですが中国では「后来:hòulái」(←歌詞の初めの「ほ~ら」をもじってる)という曲名に変わっていますし、歌詞の内容も恋愛ソングになっています。
熱狂的に上記の曲が好きな中国人もたくさんいて、ある人が日本人と分かると「ねぇねぇ中島美嘉の雪の華を歌ってよ!」などと無理な注文を出されるときもあります。
もちろん日本人だからと言って中島美嘉のように歌えませんし、そもそも歌詞が分からないので困ります。
漫画系
最後に挙げるのが、漫画系の日本の曲です。中国人のほとんどが日本のマンガが大好きで、特に宮崎駿(宫崎骏:gōngqíjùn)は偉大な巨匠と見られています。
中国人のほとんどは彼の映画はすべて見ているので、映画の中で流れる音楽もよく中国で流れています。
とくに人気があるのが天空の城ラピュタ(天空之城:tiānkōngzhīchéng)の挿入歌「君を乗せて」です。「あの地平線~♪」と歌うと中国人は大喜びします。
日本人が歌ったら…
日本人が日本語で歌うと必ずと言っていいほど、中国人はこう言います。
zhōngguóyěyǒu
中国也有.
中国にもあるよ
そして中国語バーションで歌ってくれます。中国人の中にはこれらの曲がもともと中国曲だと思っている人がたくさんいます。
実際には中国にも同じ曲があったのではなく、勝手に中国の作曲家が日本のメロディーを拝借したのですが、面子を重んじることが重要な国中国です。
いくら元歌が中国だと勘違いしていても、日中友好のために「それもともとは日本の曲だよ」などとは言わないようにしましょう。