中国ではよく「要多喝水」(yào duō hē shuǐ)、つまり「たくさん水を飲みなさい」と薦められます。風邪をひいた時や体調が悪い時はなおさらです。
水の飲み方を意識したことはそれほどありませんが、中国人の健康法の中では大切なもののようです。
レッスンの内容
水筒を持ち歩く習慣
中国ではほとんどの人が出かける際に水筒を持参します。学校へ行くにも出勤するにも、少しどこかへ出かける時も水筒を持ち歩きます。
中身が少なくなったら学校や職場に備え付けの飲料水タンクや水道水から継ぎ足します。温水も出る飲料水タンクなら冷水ではなく温水を入れます。
もちろんコンビニや屋台、道路沿いの小さな店舗などで手軽にペットボトル飲料水が手に入るのですが、それでも水筒を持参する人の方が圧倒的に多いのが実情です。
湿度の低さが影響
「要多喝水」と薦める理由、そして自分用の水筒を持ち歩く理由の一つは湿度の低さかもしれません。
中国華北地方以北や内陸地方では、特に冬になると湿度がかなり低くなります。例えば北京の12月の一日の湿度は高い時で30%、低くて10%を切ることもあります。
一般的に理想の室内湿度は50-60%だとされていますし、日本の天気予報では湿度が30%になると「空気がカラカラに乾燥している」と表現されます。
それと比較すると、湿度30%でも高い方だというのですから、いかに空気が乾燥した状態かお分かりいただけますか?喉のためにも体のためにも給水を意識する必要があるのは当然ですね。
マッサージの後にも
マッサージ店で30分ほどの「足疗按摩」(zúliáoànmó 足つぼマッサージ)をしてもらったら、必ず店員が「しっかり飲んでくださいね。」と言って紙コップに温水を入れて出してくれます。
これは足つぼが刺激されたことにより、内臓の活動が活発になって新陳代謝がよくなり血液濃度が増すので、少なくとも500CCの温水を飲むようにと薦められるのです。
高齢者が夜トイレに行くのが面倒からと水を飲みたがらないとしても、マッサージの後には必ず水を飲むよう提案されています。
どんな水を飲むといいの?
「中医」(zhōngyī 中国医学)の考え方に基づき、中国人は体内に冷たい料理や飲料水を取り入れるのを嫌います。それで冷たい水ではなく白湯を飲むよう薦められます。
これを「白开水」(báikāishuǐ)とか「凉白开」(liángbáikāi)と言います。
Gēnjù zhōngyī yǎngshēngxué,báikāishuǐ shì zhōngxìng de wùzhì
根据 中医 养生学,白开水 是 中性 的 物质,
kěyǐ jiāng tǐnèi de yīn、hán、shī、dú dài zǒu,jiùshì tōngguò páixiè,
可以 将 体内的 阴、寒、湿、毒带 走,就是 通过 排泄,
pái hàn jiāng zhèxiē shēntǐ de záwù dàichū tǐwài,
排汗 将 这些 身体 的杂物 带 出 体外,
tā zàizhōngyàoxué lǐmiànchéngwéi báiyào zhīshǒu。
在 中药学 里面 成为 百药 之 首。
中国医学の養生学によると、白湯は中性物質なので体内の陰、寒、湿、毒を運び去ることができます。
つまり排せつや発汗によって体の中の不要な物質を体外に運び去るのです。白湯は漢方薬学における百薬の長なのです。
Chén qǐ hē shuǐ,hē yǔ shìwēn xiāngtóng de kāishuǐ zuì jiā,
晨 起 喝 水,喝与 室温 相同 的 开水 最 佳,
tiān lěng shí kě hē wēn kāishuǐ,yǐ jǐnliàng jiǎnshǎo duì chángwèi de cìjī。
天 冷 时可喝温 开水,以 尽量 减少 对 肠胃 的刺激。
朝起きて水を飲む場合、室温と同じくらいの温度の白湯を飲むのが最適です。寒くなってきた時には少し温めの白湯を飲むようにすれば胃腸に対する刺激を極力軽減できます。
飲み過ぎには要注意
いくら飲んだ方がいいとはいえ、水を飲み過ぎることの弊害もあります。
水の飲み方を指南する記事によると、大きな水筒を職場のデスクに置いて、ひっきりなしに水を飲んでいる人がいたり、水ダイエットに凝っていたり、水が毒素を運び去るからと安心してその他の生活習慣はあまり気にかけない人がいたりするようです。
でも過ぎたるは及ばざるがごとし。いつ、どのくらいの量をどんな温度で飲むか、適量を知るのは大切ですね。
中国の料理店ではお茶は有料ですが、店員に頼めば無料の白开水を出してくれます。
食前に室温と同温の白开水、お茶、「冰糖菊花茶」(bīngtángjúhuāchá 氷砂糖入り菊花茶)などを100cc飲むと胃に良いそうです。一度試してみてください。