日本は世界でもゴミを分別する国として有名です。
中国人が日本人について語るとき、漫画、ジャニーズについでよく取り上げられるのがこの「ゴミ分別」(分类收垃圾:fēnlèi shōu lājī )なのです。
レッスンの内容
中国の環境への努力
地球温暖化(全球暖化:quánqiú nuǎnhuà)が進み、いよいよ大国中国も本格的なゴミ分別に乗り出しました。
日本人からすると中国は環境意識が低いと映るかもしれませんが、中国にいると中国政府もこれまで環境問題に取り組んでいることが分かります。
すでに10年以上前から中国でも町中の公共ゴミ箱はすべて燃えるごみ(可燃垃圾:kěrán lājī)と燃えないゴミ(不可燃垃圾:bù kěrán lājī )に分けられたごみ箱に変えられていました。
さらに国家予算のうち膨大なお金を割いて世界中から環境問題の専門家を大学に呼び、中国全土の緑地化計画をたてています。
中国の工場には国の大きな審査が入り、環境基準を満たしていない工場は環境基準を満たすために改善させられています。
環境取り組みの成果
すでに企業単位では環境の取り組みは成果を出しています。以前より公害物質が減ったので、中国国民は中国の大気がきれいになったと感じています。
そのようにできたのは中国政府が中国企業に「環境配慮の改善をしないと改善費用よりも高い罰金(罚金:fájīn)が課すぞ!」と脅したからです。
中国政府の怖さを知っている中国企業は、お金をかけて環境に優しい工場へと変化していきました。
しかし一般庶民(老百姓:lǎobǎixìng)の意識改革は簡単ではありません。
燃えるごみと燃えないゴミを分けて捨てるように言っても、日本のように「みんながしているから自分もしよう」とは考えない中国人がゴミの分別をするわけもありませんでした。
ここ10年間は燃えるゴミに金属ゴミが、燃えないゴミに生ごみが入れられていました。国民性を考えるとただ言うだけではゴミの分別は難しかったのです。
では中国政府はどうやって中国国民にゴミの分別をさせたのかその方法を見てみましょう。

中国人にごみの分別をさせる方法
中国政府は中国国民は合理的にものを考えることを知っています。そこで「ゴミの分別を行なえば自分に得がある」と感じさせることにしました。
いま上海ですでに成功している方法は、スマホ(机能手机:jīnéng shǒujī)に「绿色帐户」(lǜsè zhànghù)というソフト(软件:ruǎnjiàn)をインストール(安装:ānzhuāng)すれば、ゴミの分別をするたびにポイント(积分:jīfēn)が貯まるというものです。
貯まったポイントはお店で野菜、果物、卵などの生活用品と資源交換(总换资源:zǒng huàn zīyuán)できます。
中国国民からすると今までは事実上「ゴミ」に過ぎなかったゴミたちが、それを分別して捨てるだけで、野菜や果物に変身できる「お金」のようなものになるわけですから、喜んでゴミの分別を行なうようになったわけです。

国民を理解した支配
今回は中国人にゴミの分別をさせる方法について考察してきました。
日本人は「集団意識が強い」という特徴があるので「ゴミの分別が始まります。みんなしますのであなたも分別しましょう」と言うだけで何の報酬がなくても国民にゴミの分別を行なわせることができます。
中国人は「合理的に徳があるかを考える」という特徴があるので、効果がある方法が違うというわけです。
時として中国のやり方が日本人としては理解できないという事があるかもしれません。しかしそれは中国政府が中国国民の特徴や感じ方をよくよく理解したうえで、取っている方法だと理解できますね。