少し前までは中国人の女性と言えばお化粧をしないと言われていました。ところが時代は変わっています。今や中国人女性は世界的にみても化粧品に最もお金をかけるようになっているのです。
中国人は毎月の化粧品(化妆品:huàzhuāngpǐn)にいくら使っているのでしょうか?
レッスンの内容
一か月化粧品にいくら使うのか
女性にとって美しさを維持することは重要なことではありますが、それでも家計の中で化粧品に割けるお金というのは限られています。
日本の場合は30歳以下は4000~5000円くらい、30歳以上は5000~6000円という統計が出ています。つまり日本人女性は平均して毎月5000円を化粧品に使うようです。
中国人の場合はどうなのでしょう?同じアンケートの結果で中国人は一か月に化粧品台として1000元使うという統計が出ています。1000元は日本円でいくらですか?
1000元=1万5000円
そう中国人女性は何と日本人の3倍化粧品にお金をかけているのです。
なぜ中国人は化粧品にお金をかけるのか
なぜ最近の中国人女性はこれほどまでに化粧品にお金をかけるのでしょうか?
もちろん収入があるからというのもありますが、むしろ中国特有の次の3つの要素があるからです。
huàzhuāngpǐnshǔyúshēchǐpǐn
1、化妆品属于奢侈品
化粧品はぜいたく品に属する
bùróngyìmǎidàozhèngpǐn
2、不容易买到正品
簡単に正規品が購入できない
wèilexuànyàozìjǐgòumǎidǐngjíhuàzhuāngpǐn
3、为了炫耀自己购买顶级化妆品
自慢のために最高クラスの化粧品を欲しがる
贅沢品は高い
中国の政策なのですが、生活必需品のお米や野菜、交通費などは価格が安くなるように設定しています。収入の少ない年配者でも生活していけるようにするためです。
しかしお金持ちが欲しがるぜいたく品(奢侈品: shēchǐpǐn)には高い税金をかけて値段を釣り上げています。iphoneや日本産の車が中国で高いのはそのためです。それでも中国人は購入しようとするので費用が掛かります。
化粧品も中国政府の見解ではぜいたく品という位置付けなので、それはそれは高い値段が設定されています。
正規品が買えない
ネットで購入するのが当たり前の時代ですが、中国のネットサイトで正規品を購入するのは至難の業です。
中国の官方网站(guānfāngwǎngzhàn)と呼ばれる企業の公式サイトでさえ、安全に正規品が購入できることが保証されているわけではありません。
ある時、筆者がビザの関係で香港に行くと話したら、中国人の大学の先生からこれこれの商品を買ってきてくれないかと頼まれます。
「そのメーカーのお店ならあのデパートの1階にもあるじゃないか」と言いましたが、「中国で売っているのものは本当のものか分からない。しかも香港のほうが安い」ということ。
助け合うことが重要な中国なので、買ってきてあげましたがそれだけ中国で売られている商品を中国人そのものが信じていないということです。
絶対正規品と確証されているものを買うために、わざわざ海外に行き購入するのでは当然費用がかさみますね。
最高級のものを欲しがる
中国人はお金持ちであることを持ち物でアピールします。一番売れる車はベンツ(奔驰:bēnchí)など最高級車と言われる車です。
化粧品業界でも同じで、中国人はちょっと小金持ちになると世界の名牌(míngpái)と言われるブランド品を欲しがります。
日本のSKⅡや雪肌精などは十分自慢できる代物なので、日本人がなかなか手が出ない高級化粧品を惜しげもなく大量購入します。当然一か月あたりに化粧品にかかるお金も跳ね上がるでしょう。
化粧品からわかる価値観の違い
今回は中国人の化粧品に対する力の入れようを考察しました。日本は中国のようなお国事情がありませんし、自慢よりも節約が美徳と思われるので、軽自動車やお手頃価格で安全な化粧品などが売れ筋商品となります。
こうした中国人の考え方や購入過程を知っておくとチャイナマネーをつかむのに役立つかもしれません。