中国にも身体的な障がいを抱えた方はたくさんおられます。しかし日本人が中国に行って驚くのが、それら障がいを持っておられる方が健常者と同じように楽しそうであり、表情も明るいことです。
どうして中国の障がい者はこんなに堂々としているのでしょうか?
レッスンの内容
中国の障がい者への保障
中国にも身体障がい者(残疾人:cánjírén)への保障がありますが、日本ほど手厚くありません。中国政府は中国の身体障がい者に必要な生活費を与えるという方法で援助を行なってはいないのです。
ではどうやって生活を保障しているのでしょうか?
cùjìncánjírén de gùyòng
促进残疾人的雇用
身障者の雇用を促進させる
国家主体で障がい者が自分で仕事をし、生活を維持できるように促しています。
政府主導による職業訓練
2017年には100万人の身体障がい者に無料の職業訓練を施しました。そして企業には会社で何%身体障碍者の雇用を行なうようにという指示を出しているのです。
中国のバスに乗るといつも「年配者、子ども、妊婦、障がい者には席を譲りましょう」という車内アナウンスが流されています。
この「困っている人を助ける精神」において、中国は本当に素晴らしく、雇用を促進するという政府の方策に関しても多くの企業が積極的に雇用を行ないます。
具体的にどんな仕事をしているのでしょうか?
中国の障がい者が行なっている仕事
障がい者の仕事といっても、日本のようにどこかの作業場に身体障がいを持った方が集まって工芸品を作ったりなど、身障者のためにわざわざ用意された仕事をするのではありません。
例えば、中国では塗装屋(油漆工:yóuqīgōng)の仕事をしている片足がない方を見かけます。
日本だと問題になるかもしれませんが、その片足のない作業員は炎天下の中、杖をわきに挟み、体を固定させながら他の作業員と同じように長時間せっせとペンキを塗り続けていました。
日本人である筆者は痛く感動しました。
もちろん健康な人と比べると作業できる量も少ないかもしれません。実力主義の中国ですから、お給料も仕事量に応じてで、健康な作業員と同じ給料はもらえないかもしれません。しかし自分にできる限り一生懸命働いているのです。
その塗装現場の雰囲気も、身障者の作業員をかわいそうな人と見る空気は全くなく、身障者の作業員は堂々と作業し、一緒に笑いながら昼食を取っていました。
中国のマクドナルド(麦当劳:màidāngláo)では、耳の聞こえない方が注文を取ることさえあります。
中国のお客さんも、やってきた店員が耳が聞こえないと分かると「そうかそうか」という表情をして、手ぶりで「てりやきバーガー」を指差し「これ一つ」と指で1を作ります。続いて「ポテト」を指差し、指でサイズが「L」と伝えます。
聴覚障がいのある店員は堂々と「OK!」という表情をしています。
中国にはお客様が神様という文化はなく、国民性として身障者にも理解があるので、企業としても障がい者を雇用しやすいのです。
障がい者をだます人への接し方
もちろんどの国にも悪い人がいるように中国でも身障者の弱みに付け込んで彼らをだまそうとする人もいます。しかし彼らは健常者の陰に隠れておびえているのではありません。
中国の身障者は普通自分たちでグループを組んでいます。自分たちをだます詐欺などの情報を共有し、自分たちがだまされずこの社会の中で生きて行けるように、自ら常に備えをしています。
中国から学ぶ障がい者への接し方
上記で考察してきたことを見ればわかるように、中国の身障者は日本と比べると堂々と生きています。もちろん健常者がどのように障がい者に接するべきか、国がどのように障がい者を援助すべきかに関して、各国考え方の違いがあるでしょう。
しかし中国にいる障がい者の目を見ていると、彼らが強く生き楽しそうにしており、目が輝いているのを感じます。もしかすると日本人は障がい者への接し方について中国から学べることがあるかもしれません。