昔から日本人に愛されている軽食と言えば焼き芋。中国に行くとその焼き芋が売っているので、ついつい手を伸ばして買いたくなります。
ところがいざ食べると、日本の焼き芋とは全く違うことに気づくのです。中国の焼き芋は何が違うのでしょうか?
レッスンの内容
中国の焼き芋は安い
日本の焼き芋(烤红薯:kǎohóngshǔ)は近年高くなりました。昔は焼き芋一つを100円ちょっとで食べることができていましたが、今では普通の石焼き芋屋で購入すると1つ500円することさえあります。
しかし中国ではいわゆる石焼いも屋で焼き芋一つがわずか2~3元(35~50円)で売られています。
なぜそんなに安いのでしょうか?
世界一の生産量
焼き芋にするサツマイモの世界生産量は1億2700万トンと言われています。そのうち何と、1億500万トンものサツマイモが中国国内で生産されているという事です。
日本で生産されるサツマイモはわずか100万トンであることを考えても、どれだけ中国国内にサツマイモがあふれているかわかるでしょう。
中国の食品専門家からすると、基本的にサツマイモというのは豚のエサという事です。それほどの価値の低いものとみなされているわけですから、食用として売り出すときは当然格安になります。

中国の焼き芋製造法
中国で焼き芋が安く売られている別の理由は材料コストが安いだけではありません。設備コストも安いのです。
日本で焼き芋を作るときは専用の釜で作ります。町を走っている日本の石焼き芋屋さんはトラックの荷台を改造し、専用の焼き芋用の釜を搭載しています。
そう、日本で焼き芋を売る商売をするには、お芋の準備だけでなくそれなりの設備投資が必要なのです。
ところが中国で焼き芋屋をするのは簡単です。準備するのはリアカー一台と、ドラム缶一個です。サツマイモはただのような値段で手に入ります。
中国焼き芋の作り方
ドラム缶の中に練炭を一つ入れドラム缶の全体を加熱します。その高温のドラム缶内部にサツマイモを放り込めば、数時間で食べれる状態になります。
焼き上がった焼き芋は取り出されドラム缶の天板上に並べられ売り出されます。
購入方法は簡単です。上に並べられた焼き芋を指さして
zhège , háiyǒuzhège
这个,还有这个
これ、あとこれも
と言えばOKです。何やら怪しい天秤で測って若干ぼったぐられているような気がしますが、所詮一つ2~3元なので焼き芋屋のおじさんの言い値で買いましょう。

果たして味は?
結論から述べますと、中国の焼き芋は当たりはずれがあります。それは焼き芋屋のおじさんがどの種類のさつまいもを仕入れたかに依るからです。
ほとんどの場合ははずれです。中国の焼き芋のほとんどはベトベトしています。甘いには甘いのですが、日本人の口には合いません。
おいしくない芋の色はオレンジ(橘黄色:júhuángsè)なので、芋の皮が破れて中身が見えるときはオレンジの芋は選ばないほうがいいでしょう。
ときどきおいしい焼き芋に当たることがあります。なぜおいしいと感じるかというと日本で食べるさつまいもと同じ種類ものだからです。
おいしい焼き芋の色は黄色(黄色:huángsè)です。黄色の芋を見つけたら買いの一択でしょう。
中国にいて日本を見出す
外国生活を長く送る秘訣は、外国にいながら日本を感じるものを探すことです。焼き芋は日本を感じることができる食べ物でしょう。
中国で黄色のおいしい焼き芋を見つけたらたくさん買って、家で奮発して購入したバターと砂糖をつけて食べれば、今外国にいることも忘れてしまうかもしれません。