日本人が中国に遊びに行くと、中国人が日本料理店に連れて行ってくれることがあります。
予想できることと思いますが、中国の日本料理は日本のものとはかなり違います。どんなものが出てくるのでしょうか?日本と違う点を見ていきましょう。
レッスンの内容
中国の日本料理店のおかしいところ
中国の日本料理店で重要なお客さんは地元の中国人なので、中国人の感覚に合わせた料理が提供されています。
当然日本人の感覚ではかなりの違和感を感じるわけですが、どこがおかしいのでしょうか?3つ挙げましょう
zhuāngxiū hěn dútè
1、装修很独特
内装が独特
càidān lǐ de rìyǔ hěn qíguài
2、菜单里的日语很奇怪
メニューの日本語がおかしい
dàbùfen de cài búshì rìběncài
3、大部分的菜不是日本菜
ほとんどはもはや日本料理ではない
一つずつ見ていきましょう。
日本料理店の内装
日本料理店に来た中国人が日本料理を食べたと感じるのは、味ゆえにではありません。日本っぽい内装のなかで何か食べたので、日本料理を食べた感覚になるのです。
日本の雰囲気を醸し出すために中国の日本料理店に必ずあるものは何でしょう?それは障子と日本人形です。障子で囲まれた空間は日本を演出するのに欠かせません。
続いて日本人形ですが、実際の日本には日本人形を置いている日本料理店などほぼありません。しかし中国には必ずと言っていいほど置いてあるのです。さて、置いてあるのでしょうか?
それは一番目立つ場所。そう、食事をするテーブルの上です。食事をする真横に和服を着た女性の人形が置いてあるのに日本人は違和感を感じることでしょう。
他にも日本を演出するために鯉の絵や浮世絵が飾られてたり、紙風船が置かれていることもあります。
日本料理ではない日本料理
若干の違和感を感じながらも、中国の他のレストラン(餐厅:cāntīng)よりも清潔にされているので、日本人はまあいいかと思います。
ところがメニューを見た時にまたビックリします。そこに書かれているのはなんとも不思議な日本語。幾つか紹介しましょう。
こんなメニューがあります。
xiāng máng tūnnà yú shòusī
香芒吞那鱼寿司
マンゴー飲み込んだ魚寿司
正確に訳すと「マンゴーとツナのお寿司」です。ちょっと気持ち悪そうですが、今は味の話は置いておきましょう。
ツナの当て字である吞那(tūnnà)を自動翻訳で訳しているために「飲み込む」と訳出されてしまっています。
日本人のチェックを受けることなくメニューにされているためこの有様です。
そのお隣の料理を見ると。
fǔpí bāzhuǎyú shòusī
腐皮八爪鱼寿司
ユバは、たこ
正確に訳すと「湯葉でタコを巻いた寿司」です。
自動翻訳でなぜか寿司が省略されたか、自動翻訳の結果、文字数が長くなってしまったのでメニューに入りきれず勝手に省略したのかもしれません。
味は中国
メニューを見た時点で「ここではまっとうな日本料理を食べることはできないなぁ」と日本人は内心思います。
でもせっかく中国人が少し奮発して日本料理店に連れてきてくれたわけですから感謝して注文します。では、どんなものが出てくるのでしょうか?
ラーメン(日式拉面:rìshì lāmiàn )
中国人にとって日本のラーメンとは豚骨ラーメンです。確かに白濁スープではありますが、味は薄い塩の味しかしません。
チャーシューも乗っていて雰囲気は出ていますが、麺にコシもなくお味は微妙…。
残念ながら日本人だけでなく中国人もおいしいとは感じていません。
トンカツ定食(猪排份套餐:zhūpái fèn tàocān)
では、トンカツ定食を選ぶとどんなものが出てくるでしょうか?
コスト削減が重要な中国の料理店です。それはそれは薄いトンカツがある程度の厚さに見えるように斜め60度くらいに切られて出てきます。
他の料理はもはや日本料理ではありません。唐辛子たっぷりのラーメンだったり、先ほどのマンゴーのお寿司。
言うまでもありませんが、中国では刺身(生鱼片:shēngyúpiàn)は頼まないほうが良いでしょう。
おすすめ料理は?
中国で日本料理店に連れて行かれたときに、一つだけお勧めの料理があります。それが
日本式炒飯(日式炒饭:rìshì chǎofàn)
炒飯はさすがに本場の中国なのでおいしく感じます。中国のチャーハンも売っていますが、日本式炒飯が一番日本人の口に合うでしょう。
中国人は満足
日本人の感覚からは不満足さが残る日本料理店ではありますが、中国に日本料理があるというのは日中友好の証でもあります。
中国のお客さんに日本料理店に連れて行ってもらったときは、日本人の気持ちを思って連れてきてくれたことには間違いないわけなので、嫌な顔はせず、感謝してお受けしたいものですね。