どの国でも存在する問題、それが地域格差問題です。中国においても地方格差問題は存在しており、政府も一定の努力をしていますが、全く改善される気配はありません。何が原因なのでしょうか?
レッスンの内容
どの都市の人が偉いのか
日本では東京や大阪など大都市に住んでいる人が優越感を味わっているようです。
単純に人口が多いことが原因かもしれません。日本の中心部に位置しているので、自分たちは様々な情報や流行を発信している、地方は遅れているという感覚があるのかもしれません。
実は中国でも似ており、北京、上海、広州などの人口が多い大都市に住んでいる人は誇らしく(自豪:zìháo)感じています。そして発言のいたるところにその他地方の人を見下げる口ぶりが見られています。
ところがそれらの都市に住んでいる人が自分たちが偉いと思う理由は少し日本と違って、人口が多いとか流行の最先端に位置するからというのが主な理由ではないようです。中国特有のある理由で、彼らは優越感を感じています。どんな理由だと思いますか?

大都市に住んでいる人が偉いと感じる理由
中国の大都市に住んでいる人が、他の都市に住んでいる人より偉そうなのは、次の原因です。日本とは全く違うと感じることでしょう。
yǒuqiángliè dezhíxiáyìshí
1,有强烈的直辖意识
強烈なる直轄都市意識
wǒchéngshìshìběijīngfùjìn de
2,我城市是北京附近的
私の都市は北京に近い
píngjūngōngzībǐjiàogāo
3,平均工资比较高
平均収入が高い
日本とは違うこの3つの理由で中国人は誇りを感じるのです。

直轄都市意識
中国の直轄都市は北京、天津、上海、重慶です。とりわけ重慶の人(重庆人:chóngqìngrén)が少し地方を見下すのはこの直轄都市意識が強いためです。
例えば重慶市は南方の成都市とよく引き合いに出されますが、自分たちは直轄都市だからという理由で自分たちが上だと考えたがるようです。
他の都市に関してはそれ以外の理由で誇りを感じることができるので、この直轄都市意識はさほど強くありません。
北京に近い
北京に住んでいる人は首都ですからこの理由で誇りを感じる必要はありません。
しかし北京の近くに位置する都市、例えば吉林省に住んでいる人は中国南方都市に住んでいる人に対して「うちの都市のほうが北京に近い」というよく分からない理由で自分たちのほうが上だと感じるようです。
実際には吉林省出身なのですが「出身地はどこですか?」とお聞きすると「北京」(běijīng)と答える年配者は少なくありません。それだけ北京の威を借りたいのです。
平均収入が多い
実はこれが中国人が自分の都市の自慢話へと突き動かす一番の要因です。北京に住んでいる人、上海に住んでいる人が偉そうなのは、収入が多いからなのです。
韓国はよく年功序列社会といわれますが、中国はまさに収入序列社会です。
北京、上海、天津だけでなく、深センや広州の人が自分たちは偉いと思っているのはこの平均収入が高い都市にいるという意識なのです。
人の内面を見る努力
中国でも日本でも、ついつい住んでいる地域で人を判断してしまう傾向があるかもしれません。
人の価値というのは生まれた場所や住んでいる地域に依存しないというのは分かっているのですが、偏見を取り除くには絶え間ない努力が要りますね。