中国で生活することには数々の不便が伴いますが、何よりもの不便はネット環境が悪くなることでしょう。
日本では自由にできていたことが中国ではできなくなるのです。
中国のネットシステム
中国から海外のサイトにつなげるときは、かならず中国政府の中央ネット制御システムを経由しなければなりません。そのために海外では有名なサイトが開けなかったり、検索エンジンを利用できなかったりします。
中国ではどんなサイトを見ることができ、どんなサイトは見ることができないのでしょうか?ネット制限を行なう目的は何でしょうか?
中国国内からも見られるサイト
ヤフー(雅虎:yǎhǔ)
yahooのサイトを閲覧できます。日本で起きているニュースはすべて閲覧可能ですし、習近平を批判するような記事も、日本のヤフーサイトから普通に読むことができます。
野球などのスポーツ結果やダイジェスト動画も中国にいながら問題なく見られます
ウィキペディア(维基百科:wéijī bǎikē )
ネット百科事典として知られているウィキペディアを中国でも見ることができます。
ウェキペディアは必ずしも中立的な説明ではなく、時には中国の好まない偏った書き方がされていることもあるのですが、それでも中国は国内の人がウィキペディアを見ることを許しています。
百度百科(bǎidù bǎikē )という中国政府公認ネット辞書があるにもかかわらずウィキペディアの閲覧を許していることはまだまだ国際的な情報を取り入れる余地があることを示しています。
ただし中国国内からはウィキペディアのサイトにとってもつながりにくいという短所はあります。
中国国内から見られないサイト
中国政府は国際的に有名な一部のサイトを「屏蔽」(píngbì)つまり国を守るために見られなくしています。例えば下記のサイトは見られません。
グーグル(谷歌:gǔgē )
世界的にも有名な中国のネット規制。グーグルの関係サイトがほとんど使えなません。
グーグルは中国政府と仲が悪いのはなぜなのしょうか?それは「https:」で始めるサイト方式を採用しているためです。すべての情報を検閲することを望む中国政府は、暗号化された情報https:サイトを排除しています。
グーグル検索エンジンも使えませんし、グーグルマップ、グーグルアースも使えません。世界的に有名なyoutubeもグーグルが運営しているため見ることができません。
インスタグラム(照片墙:zhàopiàn qiáng) フェイスブック(脸书:liǎn shū)
中国ではインスタグラムやフェイスブックも見られません。理由は外国人の思想がそのまま入ってくるからです。
中国に対する偏見的な見方や意見も多くあると判断したため、これら世界的に発信力のあるソーシャルネットワークサービス(社交网站:shèjiāo wǎngzhàn)を見ることができないようにされています。
yahoo検索(雅虎搜索:yǎhǔ sōusuǒ)
さきほどヤフーを見ることができると書いたのですが、ヤフー検索が近年できなくなりました。
中国にいながら日本のサイトを検索して見つけたいと思う場合、livedoorなどのサイトでは一応検索が可能で検索結果が出てきます。
しかし中国のサイトしか検索結果として出てきません。つまり中国国内からは通常検索機能が使えないわけです。
特定のサイトに行きたい場合は検索で探すのではなく、直接アドレスを打ち込む必要があります。
日本と同じ環境にするには
中国にいる日本人は日本と同じようにネットが使えないので、不便さを感じることでしょう。ですからVPN(虚拟专用网络:xūnǐ zhuānyòng wǎngluò )と呼ばれるネット上のトンネルを海外に通すとよいでしょう。
中国でVPNの購入は大変なので、長期出張するときは事前に日本で安全なVPNを購入してから行くとよいようです。
※2019年6月の情報です。