好きなだけ食べてください。これはどの国においても魅力的な食事の提供方法です。日本でもバイキングや食べ放題と呼ばれるお店は人気があります。
しかし中国で食べ放題のお店を経営する場合にはあることに注意しなくてはいけません。
レッスンの内容
中国にもある食べ放題のお店
中国人は食べることが大好きなので、食べ放題という食事の提供方法はそれはそれは人気があります。さて問題です。「食べ放題」中国語では何と言うでしょうか?
zìzhùcān
1,自助餐
dàchīdàhē
2,大吃大喝
xiǎngchīduōshaojiùchīduōshao
3,想吃多少就吃多少
さあ正解はどれでしょう?
食べ放題の中国語
1番目の自助餐(zìzhùcān)が正解です。
「自分」を意味する自己(zìjǐ)の「自」と、助けるを意味する帮助(bāngzhù)の「助」と、飲食を意味する餐饮(cānyǐn)の「餐」を一文字ずつ取って自助餐(zìzhùcān)となります。
「ウェーターなどの手を借りずに、自分で好きなだけ飲食物を持ってきて食べる方式」というイメージの語となっています。
2番目の大吃大喝(dàchīdàhē)は四字熟語(成语:chéngyǔ)になっている中国語で「たくさん食べて、たくさん飲む」という意味になります。
お客さんを呼んで大盤振る舞いをするときによく使う言葉ですが、食べ放題という意味にはなりません。
3番目の想吃多少就吃多少(xiǎngchīduōshaojiùchīduōshao)ですが、これも正解と言えば正解です。
しかしこれはレストラン側の料理の提供方式で使われる単語ではなく「自分が食べたいだけ食べる」という「食べ放題」とはなにか?を説明するときに使われる文章です。

中国人が食べ放題のお店に行くと
素直な国民である中国人は他の人の目をあまり気にしません。素直に自分が食べたいものだけをたくさん取ります。
筆者が結婚記念日に妻と奮発して中国のバイキング店に行きました。お肉を少し、お魚を少し、中華料理を少し、野菜を少しと取り分けていましたが、ほとんどのお客の食事のとり方にビックリします。
虾(xiā)つまり「海老」だけを大量にお皿に山盛りです。その場所では高級食材であった海老のみを、ひたすら家族で食べまくっていました。
中国の食べ放題の問題点
予想できることですが、中国の食べ放題にはこんな問題点があります。
nátàiduō , chībùwán
拿太多,吃不完
取り過ぎで食べきれない
中国人も悪気があるわけではありません。純粋に食欲のまま「これくらいなら食べれらると思って取ったものの、やっぱり食べきれなかった」となります。
これではお店側は商売あがったりです。よって中国の食べ放題では日本では見かけなある制度を導入しています。
頭金制度
純粋に食べ放題料金は150元(2250円)など決まった額なのですが、食べ残されたら困るので、中国の食べ放題専門のお店は頭金(押金:yājīn)制度を設けます。
場所によりますが頭金はだいたい100元(1500円)程度で、正規料金と合わせて250元取られます。もしも食べ残すと、食べ残した量に伴って頭金からお金が差し引かれるというわけです。
ちゃんと頭金を返してほしい中国人は、食べ残さないように注意してお皿に取り分けるようになるわけです。中国人をよく理解した制度ですね。
もちろん外国人のお客さんも多いホテルの食べ放題などには、食べ残すことを疑った制度は失礼なので、こうした頭金制度はありません。その分正規料金が200元(3000円)以上と高めに設定されています。

日本の食べ放題は信頼のもとに成り立っている
日本の食べ放題にはこうした頭金制度はありません。しかしそれは当然お客さんがモラルを守ってくれるであろう、という信頼のもとに成り立っているわけです。
会社経営をするにもその国の国民性や考え方、文化等を加味して経営しなくてはいけないことが分かりますね。