中国では日本食が大ブーム。週末に家族で日本料理店に行って食事をするのが一種のステータスとなっています。
しかし、日本人が日本料理店に行くとがっくりしてしまいます。それは「これはもはや日本料理ではない」と感じるほど妥協してしまっているからです。
レッスンの内容
中国の日本料理店は大きく分けて二つ
中国には大きく分けて2種類の日本料理店があります。
lǎobǎnshìzhōngguórén de rìběnliàolǐdiàn
1,老板是中国人的日本料理店
中国人がオーナーの日本料理店
rìběngōngsī de liánsuǒdiàn
2,日本公司的连锁店
日本の会社のチェーン店
この2種類の日本料理店、どういう違いがあるでしょうか?
中国の会社の日本料理店
日本が大好きな中国人はよく自ら日本料理店を開店しています。彼らが日本の雰囲気を醸し出すために決まって店内におくものがあるのですが何だと思いますか?
それは博多人形や浮世絵です。必ずあります。ほかにもちょうちんが下げてあったり、鶴の折り紙や紙風船が置いてあったりします。
日本人からすると、日本を履き違えている雰囲気に違和感を感じるものでしょう。しかし重要なのは料理でしょう。
中国人の作った日本料理の味
中国人オーナーが出してくれる料理はどうでしょうか?確かに見た目は似ています。しかし味はまるで決まっていません。それでも料金は立派な値段がつけられています。
お刺身なども注文すれば出てきますが、中国人には手を洗ってから料理をするという概念がありません。
人前で料理するときは手袋をつけて刺身を切ることもありますが、誰も見ていない厨房で刺身を切るときは手袋などつけているはずもありません。
よって生ものは遠慮したほうがいいのですが、天ぷらや豚カツなどの揚げ物類は日本と変わらないものを提供してくれます。
ビールや日本酒もそこそこのものを出してくれるので、それなりに楽しい時間を過ごせるでしょう。
日本のチェーン店
次に日本の会社が運営している日本料理のチェーン店を見ていきましょう。日本人が管理しているだけあって、衛生基準は日本並みに保たれているようです。
いくつか中国にある日本料理のチェーン店を紹介しましょう。
一風堂
一风堂(yīfēngtáng)
丸亀製麺
丸龟制面(wánguīzhìmiàn)
すき屋
食其家(shíqíjiā)
吉野家
吉野家(jíyějiā)
「おいおい、これはラーメン屋、うどん屋、牛丼屋ではないか。どれひとつとして日本料理店ではないではないか」という声が聞こえてきそうですが、中国では立派な日本料理店です。
なぜなら日本人はこれらのお店に行って初めて本当の日本の味が味わえるからです。
中国の味千ラーメン
上記のリストを見て中国人はこう感じます。
wèiqiānlāmiànbùshì rìběn de ma
味千拉面,不是日本的吗?
味千ラーメンは日本の会社じゃないの
確かに味千ラーメンは日本の会社で、中国で初めて大々的に成功を収めた日本のチェーン店です。
しかし味千ラーメンは味も、店舗の内装も、すべて中国向けに内容を変更した中国のお店となってしまっています。日本の会社だと思って期待して行くと、落胆しかないでしょう。
日本のチェーン店も妥協を
一風堂、丸亀製麺、すき屋、吉野家は中国に進出しても魂は売っていません。なぜなら日本の味の豚骨ラーメン、日本の味のうどん麺とダシ、日本の味の牛丼が味わえるからです。
ただし、サイドメニューは完全に中国人向けとなってしまっています。少し紹介しましょう。
一風堂にはあるのは、ありえない辛さの「激辛ラーメン」、丸亀製麺には「豚骨うどん」たるものがあります。
すき屋や吉野家の飲み物はコーラ、すき焼き丼などには生トマトがのっているという変貌ぶりです。
なぜ日本と同じように出さないの?
中国に行った日本人は「なんで日本のお店なのに日本と同じように提供しないの」と思うかも知れません。
答えは簡単です。店にくるお客さんのほとんどは中国人だからです。
日本のお店としても日本と同じメニューで提供したいのは山々なのですが、お客の要望に合わせてメニューを変えなくてはいけないのです。
まとめ
このように日本のチェーン店は目玉商品こそは変えていないものの、その他の商品はすべて中国人に合わせて妥協しています。このことから学べることは何ですか?
そう、日本にある中華料理というのは、中国人から言わせると「日本人に妥協した中華料理」ということですね。