世界中でコロナウィルスのワクチン接種が行なわれています。日本も世界的にはワクチン接種率が高いのですが、それ以上に高いのが中国なのです。
なぜワクチン接種をこれほど推し進めることができるのでしょうか?
レッスンの内容
中国のワクチン接種は強制的か?
日本人からすると中国では自由がないというイメージがあるので、ワクチン(疫苗:yìmiáo)の接種は強制的なのではないかと感じる人も少なくありません。
しかし共産主義国家の中国でのワクチン接種は次のような取り決めになっています。
gēnjùzìjǐqíngkuàngxuǎnzé
根据自己情况选择
自分の状況によって選べる
中国においても、ワクチンを打つか打たないかは個人で決めることできます。
どの国おいても基礎疾患のある人がワクチンを打つことにはある程度のリスク(风险:fēngxiǎn)がありますが、中国においても同様で基礎疾患がある人などは打たないという選択をすることができます。
国家としては比較的健康な人たちにはワクチン接種を推し進めたいでしょう。どうやって行うのでしょうか?

中国でワクチン接種を進める方法
中国においても会社で働いている人は、一緒に働く人への影響も考えて、ワクチンを打っている人が多いようです。
ですが年配者(老年人:lǎoniánrén)はそれなりの健康障害抱えている人も多いですし、そもそもワクチンの効果などを理解することもできません。
打たなくてもいいなら打ちたくないと思う人が当初多かったようです。そこで中国政府はワクチン接種を推し進めるために考えた方法はこうです。
dǎxīnguānbìngdúyìmiáobǔtiē 500 yuán
打新冠病毒疫苗补贴500元
ワクチン接種したら500元プレゼント
500元とは日本円に直すと今では約1万円くらいです。年配者にとってもはとっても大きな額でしょう。私たち日本人でも1万円もらえるなら打ちたいと思う人も多いと思われます。
このワクチン促進するための取り決め効果は絶大で、ウィルス拡大が広がっている場所で感染を抑えるために、一気にワクチン接種を推し進めることができました。
それにしてもなぜそんなにお金をあげるのでしょうか?

国民性をよく知る中国政府
中国国民をどうすればうまく収めることができるのかは中国政府が一番よくわかっています。日本やアメリカなどの民主主義国家では国民の生活を支えるために、特別給付金なるものを国民全体に配りました。
しかし中国では一切そういうお金は配られていないのです。おそらく中国政府もお金をすぐに乱費する国民性を考えて、まとまった給付金を出してもすぐに国民は散財してしまうであろうと思ったのでしょう。
中国国民は損得勘定に優れた国民性です。自分が得をするなら喜んで行動します。500元あげれば年配者もワクチンもちゃんと打ってくれるうえ、生活に困窮しているであろう世代の生活を支えることもできるので、一石二鳥の取り決めというわけなのです。
日本と中国国民性を考えたワクチン接種促進
今回はワクチン接種の促進という分野での国策の違いを考えました。
日本のワクチン接種を促す宣伝を見ると、有名人が出てきて「わたしも打っています。みんなも打ちましょう」というものでした。
これは日本では効果的でした。みんなが打っているからわたしも打たないとという日本人独特の感情が働くからです。
他の人が打とうが打たまいが自分は関係ないという文化の中国では、上記のように実利に訴えることが一番の促進方法というわけですね。