中国に行くにはビザを取得しなくてはいけません。始めていく人はどうやって取得すればいいのだろうかと思うでしょう。
今回は中国ビザの取得方法と近年の傾向をお伝えいたします。
レッスンの内容
中国ビザの種類
中国ビザ(签证:qiānzhèng)
中国に入国するためのビザは実はたくさんあります。その中から一般の日本人が取れるビザを紹介しましょう。
旅行ビザ
旅行ビザ(旅游签证:lǚyóu qiānzhèng)
日本人であればだれでも取得でき、一番取りやすいのが旅行ビザです。取得すれば30日間中国に留まれます。
旅行を意味する旅游(lǚyóu)がLから始まるつづりなのでLビザとも呼ばれます。しかし中国の場合15日以内の旅行ならノービザでも大丈夫です。
貿易ビザ
貿易ビザ(贸易签证:màoyì qiānzhèng)
次に取りやすいのは貿易ビザというものです。貿易は中国語で贸易(màoyì)なので頭文字を取って通常Mビザともよばれます。中国で起業することも目的とする場合に取るとよいビザでしょう。
30日に一度中国から海外に出る(出境:chūjìng)という条件であればだれでも取得できます。
何度か中国への渡航歴があり、以前にも貿易ビザを取得したことがあるなど条件が整えば、2年のMビザを取得できます。その際中国国内の滞在期間が90日という便利なものもあります。
以前は日本人であればほぼ誰でもこのビザを取ることができましたが、近年の傾向として「貿易」という本来の目的に限られ、長くとどまっている人は貿易を行なっている実態があるかチェックされます。
さらに取得するとき中国側の受け入れ会社の招聘状がないと取得が難しくなりました。
学生ビザ
学生ビザ(学生签证:xuéshēng qiānzhèng)
中国の大学に入学するときに取得できるビザです。 学生(xuéshēng)の頭文字を取ってXビザとも呼ばれます。
どんなに年齢が高くても中国の大学に行きさえすれば、誰でも取得できますが、ちゃんと毎日学校に通うことが義務付けられています。単に中国語を学ぶという目的でも申請可能なので、簡単に取得できます。
就労ビザ
就労ビザ(工作签证:gōngzuò qiānzhèng)
最後に、一般人が取得できるビザは就労ビザがあります。正式に中国の会社に、もしくは中国にある一定額以上の資産がある日本の会社就職する場合に取得できるものです。別名Zビザと呼ばれ、長所は最大一年間、中国国内から出る(出境:chūjìng)必要がない点です。
少し前は訪問交流視察などを目的とした「訪問ビザ」(访问签证:fǎngwèn qiānzhèng)というビザが取れましたが、これは2つ目に挙げた貿易ビザにとってかわったため今では取得できません。

ビザ取得の落とし穴
ビザを取得しようと思ったのに、取得できないというケースがあります。
パスポートの有効期限
一番多いのは「パスポートの有効期限が足りない」ことです。2年のマルチビザ(滞在可能期間90日という場合)を取得しようという場合、2年3か月以上のパスポートの有効期間が必要となります。パスポートは有効期限が1年を切らないと更新できないので、2年ビザを取得したくても取得できないわけです。
招聘状がない
「招聘状がないのでビザが取得できない」というケースもよくあります。
中国で起業しようという場合、ゼロの状態から中国で開拓しようというわけですから、当然中国に受け入れ会社などあるはずないのですが、貿易ビザの条件として中国にある企業からの招聘状が必要という矛盾が生じています。
この矛盾を解決するために追加でお金を払ってくれれば旅行代理店がどこかしらの招聘状を用意してくれる、というケースもあるようです。個人で招聘状の準備が難しい時は、旅行代理店に相談するとよいでしょう。
渡航歴が確認できない
「税関を通るときに自動ゲートを利用していたのでビザが取れない」というケースも多くあります。ビザの申請時にはスタンプで渡航歴を確認するので、自動ゲートを通らないように注意する必要があります。

中国ビザの傾向
以前は日本人であればだれでも取れていた中国のビザですが、中国は日本の技術力をある程度吸い上げ終わり、国力にも差がついています。
そのため「日本人にビザを出して国内働いてもらう必要がなくなった」という傾向があります。そのため5年10年前と比べると明らかにビザの取得が難しくなっています。
中国に行くにはこうした最近の傾向に敏感であり、まずは確実に取れるビザから取得するようにするとよいでしょう。
※2019年5月の情報です。